2: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/02/24(水) 09:26:06.12 ID:Afwf6aPW0
晶葉「P、こっちへ来てくれ」
P「ん? また新しいものでも作ったのか?」
晶葉「ああ。今回は安全機構のついた完成品だ。とはいえ、まだ臨床試験はしていないがな」
3: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/02/24(水) 09:33:07.47 ID:Afwf6aPW0
P「相変わらず散らかってるなあ」
晶葉「居心地が良いように物を配置してあるんだ。あまり動かさないようにな」
晶葉「さて」
4: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/02/24(水) 09:46:50.37 ID:Afwf6aPW0
P「なんか、メガネみたいな形してるけど……」
晶葉「うむ。今はコンタクト型にできるよう改良中だ」
P「でも、精神安定装置って……なんか聞くからに危険な香りがするんだけど」
5: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/02/24(水) 10:04:45.76 ID:Afwf6aPW0
晶葉「この眼鏡をかけていると、自分の信頼している人が視界の隅に現れて、自分のことを見守ってくれているように感じられるんだ。どうだ?」
P「でもな……」
晶葉「私のことが信用できないか」
6: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/02/24(水) 10:14:36.76 ID:Afwf6aPW0
P「……なんだこれ」
晶葉「Pよ、何に見える?」
P「点が三つ、逆三角形の頂点の位置に配置されているように見えるけど」
7: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/02/24(水) 10:24:08.86 ID:Afwf6aPW0
晶葉「シミュラクラ現象だ。まあこれは、発明の要素の一つに過ぎない。さらにP、カクテルパーティ効果という現象を知っているか?」
P「ああ、それは知ってるぞ。人が喋ってて騒がしい場所でも、自分の名前だけは切り抜いたみたいにはっきり聞こえる、ってやつだ」
晶葉「そう。実はそれは、視覚においても成立する。自分の見知った顔が群衆の中にあると、吸い寄せられるように目が動くだろう、そういうふうにな。人は、自分の知っているものに対して、敏感に反応できるんだ」
8: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/02/24(水) 10:31:17.16 ID:Afwf6aPW0
晶葉「まず、自分が見守っていてほしい人の顔を機械にインプットさせる。例えば今回ならPの顔をな、はい、チーズ」カシャ
P「おっ……思わず笑顔になっちまった」
晶葉「うむ、アイドル顔負けの笑顔だ。私がプロデューサーなら、思わずスカウトするかもしれない」
9: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/02/24(水) 10:38:36.50 ID:Afwf6aPW0
P「三つの点をみたら、俺の顔が浮かぶようにしたってことか?」
晶葉「それに近い。三つの点というわけにはいかないが、普段の風景の中でもよく見られる、十程度の点と線にPの顔をパターン化することで、風景の中にPの顔が現れるようにした」
P「なるほど。でも、今のところ俺の顔を簡単にしただけだよな? 俺の像は見えないと思うんだけど」
10: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/02/24(水) 10:53:22.64 ID:Afwf6aPW0
P「それなら、メガネにその人の顔が直接現れるようにした方が良いんじゃないのか? わざわざ脳にありもしないものを錯覚させるより、そっちの方が簡単な気がするけど」
晶葉「むむ……確かに、そうなんだが」
晶葉「試したい理論だったからな、それを作ったまでだ!」
11: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/02/24(水) 11:01:18.28 ID:Afwf6aPW0
P「で、アイドルが出社するまで待ってるわけだけど」
P「なあ、晶葉、ほんとに大丈夫なんだよな、この装置?」
晶葉「もちろん。成功か失敗、二つに一つだ。成功すれば万々歳、失敗しても単に機能しないだけだから心配はいらない。では私は、草葉の陰から見守っているとしよう」
12: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/02/24(水) 11:19:26.93 ID:Afwf6aPW0
P「だからって、答えのフリップにぐっちゃぐちゃの字で答えるのはどうよ」
杏「あってるんだからいいじゃーん。Pが見に来てくれるんなら、杏、頑張っちゃってもいいよ?」
P「ん?」ピク
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