163:1[saga]
2016/03/23(水) 16:09:51.33 ID:R03ctSlyo
第一部終了
164:1[saga]
2016/03/23(水) 16:10:18.45 ID:R03ctSlyo
「能力者対策本部へようこそ」
紫藤達職員に出迎えられて、能力対策本部と呼ばれるところに足を踏み入れた。
「歓迎すると言っても、まだ私達しかいないんですがね……。あはは……」
165:1[saga]
2016/03/23(水) 16:10:44.76 ID:R03ctSlyo
「あ、そうそう。貴方方の家に案内しますね」
そう言って、連れられたのは大きなセキュリティー完備のマンションの一室だった。
「新生活の準備もあるでしょうから本日はここまでにします。それでは」
166:1[saga]
2016/03/23(水) 16:11:25.07 ID:R03ctSlyo
「さて、ご飯にしようか!」
幸いにも、紫藤達から引っ越し祝いだという事で、色々食材を貰ったので、これで美味しい料理を作ることにしよう。ついでに、多めにできれば、隣人におすそ分けにでも行こう。
167:名無しNIPPER[sage]
2016/03/23(水) 16:12:30.47 ID:+tQ6f1o40
肉じゃが
168:1[saga]
2016/03/25(金) 16:35:49.19 ID:cszcRMYro
>>167
かしこまりました
169:1[saga]
2016/03/25(金) 16:40:58.92 ID:cszcRMYro
今日は、とりあえず適当に作ってみよう。なんかの本で、焼けば大抵どうにかなるというのを読んだことがある。
「ん?」
シャツの裾を引っ張られて、振り向くと後ろには子供達がいた。
170:1[saga]
2016/03/25(金) 16:41:52.72 ID:cszcRMYro
「そうだ! 隣の人に挨拶してきてくれないかな?」
俺は、前日に買っておいた銘菓ひ○こ饅頭を三人に手渡した。
「はい! 託されました! さあ、行きますわよ」
171:1[saga]
2016/03/25(金) 16:42:18.71 ID:cszcRMYro
結局、居ても立ってもいられず、子供達の様子を確認しに行くと、ちょうどインターホンを押すところだった。
「すいません。隣に越してきた者です」
それから、少ししてパタパタという足音との後、大学生くらいの女が姿を現した。
172:1[saga]
2016/03/25(金) 16:42:51.25 ID:cszcRMYro
「あ、私は椎名葵です。よろしくね」
椎名は、右手を差し出して三人と一人ずつ握手を交わした。
「あと、そこの人もねー」
173:1[saga]
2016/03/25(金) 16:43:42.02 ID:cszcRMYro
「という事は、貴方も?」
椎名は、ぺこりと頷いて意味もなくくるりと回った。
「そうなのです! 私の能力は……。ってなーんてね。残念ながら、私は普通の人です」
174:1[saga]
2016/03/25(金) 16:44:09.06 ID:cszcRMYro
「今、とてもそう見えないって思ったでしょ?」
心を読まれて、思わずたじろいてしまう。
「こう見えても、子供のころから訓練詰まれてますからね。ホラ、この通り」
175:1[saga]
2016/03/25(金) 16:44:35.18 ID:cszcRMYro
「それよりも、それ大丈夫なんですか?」
椎名は、お玉を指差して笑った。俺は、それを見て鍋に火をかけたままにしていたことを思い出した。
「やべっ!」
176:1[saga]
2016/03/25(金) 16:45:04.53 ID:cszcRMYro
「お待たせしました!」
後ろを振り向くと、大きなBGMともに椎名が現れた。
「天が呼ぶ! 地が呼ぶ! 人が呼ぶ! 料理を作れと私を呼ぶ! 聞け、愚か者共! 私は正義の料理人! クッキング葵! 参、上」
177:1[saga]
2016/03/25(金) 16:45:30.36 ID:cszcRMYro
「決まってねーよ」
「何おう!」
椎名を咎めるように、一人の青年がベランダを伝って来たのだろう。窓から中に入ってきた。セキュリティとは一体……?
178:1[saga]
2016/03/25(金) 16:46:30.61 ID:cszcRMYro
「森山ピカ○ュウです」
それを聞いた瞬間、俺の中で何かが爆発した。というか、むせた。噂に聞いたキラキラネームというやつが本当に実在していたとは思わなかった。人の名前で笑うのはあんまりよくないことだが、これは仕方ない。
「だから、言いたくなかったんだよ……」
179:1[saga]
2016/03/25(金) 16:47:07.24 ID:cszcRMYro
「はいこれ」
椎名は、ポケットから猫用の餌が入った缶を森山に渡した。
「何だこれ……。キャットフード……?」
180:1[saga]
2016/03/25(金) 16:47:36.63 ID:cszcRMYro
「すいません。お見苦しいところをお見せしてしまって……」
森山は、照れくさそうに笑いながらこっちを向いた。
「アイツ昔から、ああなんですよ。いっつも周りを振り回してばっかで……」
181:1[saga]
2016/03/25(金) 16:48:03.71 ID:cszcRMYro
「ピ○チュウは……、椎名さんのこと……好きなの?」
心が初対面の人間に対して、普通に喋ったので俺は驚いた。だけど、同時に納得した。女子はこういう話が大好きなのだ。
「ち、違いますよ! というか、ピ○チュウはやめて下さい!」
182:1[saga]
2016/03/25(金) 16:48:34.45 ID:cszcRMYro
「はいはーい。完成しました。今日の料理は、家庭料理の超定番! 肉じゃがでーす!」
俺の作ったものとは、まるで違う、料理本からそのまま飛び出してきたような、肉じゃがが俺の目の前に置かれた。
「それでは、皆さん! いただきます!」
183:名無しNIPPER[sage]
2016/04/06(水) 22:28:05.71 ID:vW1rfLnto
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