11:名無しNIPPER[sage]
2016/02/26(金) 10:17:02.99 ID:D0pwB2ui0
待ってる
12: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/02/26(金) 12:01:47.25 ID:w8NXKRp60
いつもならばこうして歩いていると、何の前触れもなく頭上から植木鉢が落ちてきたり、どこからかボールが飛んできたり、
なぜかカラスが集まってきたり、不審者と間違われてPが警官に呼び止められたりするのだが、
13: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/02/26(金) 12:03:13.71 ID:w8NXKRp60
一瞬、頭の上に何か冷たい物が落ちてきて、それが続けざまに二度、三度……
やがてぽつぽつと足元のアスファルトに小さな点ができ、辺りの空気も湿り気を帯びたものに変わっていく。
14: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/02/26(金) 12:04:08.83 ID:w8NXKRp60
「ちくしょう……今日は晴れるんじゃなかったのかよ」
二人と同じように雨宿りをしていた見知らぬ男が、空に向かって悪態をつくと、その言葉を聞いたほたるの顔が曇る。
15: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/02/26(金) 12:04:45.95 ID:w8NXKRp60
「とりあえず、傘がいるな……そこのコンビニで買ってくるから、ちょっと待っててくれないか?」
ますます勢いを強くする雨になるべく濡れないよう注意して、Pが数軒先にあるコンビニへと向かう。
16: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/02/26(金) 12:05:38.34 ID:w8NXKRp60
――最初に説明したが、ほたるは現在の事務所にやって来るまでにも、何度かの移籍を経験している。
そのいずれもきっかけは違ったが、どれも最後には所属していた事務所が倒産し、移籍せざるを得なくなったのが理由だ。
17: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/02/26(金) 12:06:07.85 ID:w8NXKRp60
だから、例え移籍先の事務所で疫病神扱いされようと、
また、同僚から腫れ物に触るように接されても、ただひた向きにアイドルとしての活動を続けてきた。
18: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/02/26(金) 12:06:38.79 ID:w8NXKRp60
「白菊ほたるといいます……あの、いきなりですが、これまで所属していた事務所が倒産してしまって……」
「それに、どうも私は不幸を呼び寄せるみたいで……知り合いが事故にあったり、同僚がトラブルに巻き込まれたり……」
19: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/02/26(金) 12:07:18.02 ID:w8NXKRp60
その頃になると、業界の中に彼女の運の悪さを知らない者はおらず、そしてほたる自身、この期に及んで
そんな自分を受け入れてくれる移籍先がまだあるとは、思ってもいなかった。
20: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/02/26(金) 12:09:30.76 ID:w8NXKRp60
「うん、よろしく……ところで君、ドーナツは好きかい?」
呆気にとられてつい顔を上げると、担当だと名乗った男が自分の座るデスクの上を指差す。
21: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/02/26(金) 12:10:06.88 ID:w8NXKRp60
「うちのアイドルがさ、差し入れだって持って来たんだけど……さすがに一人でこの量は食べられなくってね」
「あ、あの……私の話は、聞いてましたか?」
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