過去ログ - 初月「エイハブ船長にでもなったつもりか?」
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118: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/04/01(金) 04:21:24.76 ID:beGluAPZO
長期戦は不利だ。
艦娘だって艤装の損傷とは別に疲弊もする。そうすれば攻撃の精度も下がるし、動きも鈍る。
昨晩のも見るに、あいつはそれを狙っているのかも。散々逃げ回り、いかにもそれがいっぱいという風に見せて、追っ手がすっかり疲れたところで唯一にして必殺の魚雷を撃ち込む。それがあいつのやり方なのか。

やっぱり水上機が必要だ。このままでは昨日と同じ結果になる。今度はもうあいつも引き返したりはしないだろう。自分を阻む艦隊を全滅させるまで。
以下略



119: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/04/01(金) 04:22:43.78 ID:beGluAPZO
千代田の艤装は見た目こそ元どおりになっていたが、手にしているカタパルトは一本だけだ。

「初月が一人で戦ってるんだよ! なんで放っておけるの?」

「不完全な状態でなにができるんだ!? そのまま出ても役に立たない!」
以下略



120: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/04/01(金) 04:23:26.68 ID:beGluAPZO
「提督がこわい」

不意に千代田が言った。

「自分のためだけにどうして他の人を無視できるの?」
以下略



121: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/04/01(金) 04:24:02.18 ID:beGluAPZO
雷跡から千代田を狙ったのは明らかだ。頭上を飛び回る艦載機がよほど気に入らないらしい。
こんなに明るい時に雷跡を見逃すほど千代田もノロマじゃない。ギリギリのところで魚雷をかわし、あいつのいる方へ進み出す。見たところ、あのカタパルト一本の他に装備はない。修復できたスロットは一つだけらしい。

「行くな! 止まれ!」

以下略



122: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/04/01(金) 04:24:28.38 ID:beGluAPZO
これでいい。兵隊が将校の権威を踏みにじった罰だ。

引き金を絞りきり、撃鉄が倒れる直前、白くて華奢な手が俺の手首を握り、乱暴に引き上げた。銃口はまた上を向き、弾頭は空に放たれる。

手の出てきた方に視線を向ける。誰がこんなことしたかなんて見なくたってわかる。
以下略



123: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/04/01(金) 04:25:06.72 ID:beGluAPZO
艤装ではなくアビエイターグリーンの勤務服を着た千歳の目つきはキツかった。千歳のこんな顔見たことない。

「大湊警備府の提督と連絡がつきました。すぐに主力の第一艦隊が来ます。お願いだから……もう終わりにして」

頭の中が真っ白になった。本当だったら台無しじゃないか。
以下略



124: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/04/01(金) 04:25:50.40 ID:beGluAPZO
心臓が一瞬だけ膨れ上がり、血が一気に体を駆ける高揚感。あいつに当てた。ダメージなんて微々たるものだろうが、当たった。

再装填しようとストックを肩から外すと、千歳が銃を上から押さえつけた。
艤装を着けていなければ、ただの人間だ。また振りほどき、今度は拳銃を向ける。

以下略



125: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/04/01(金) 04:26:19.20 ID:beGluAPZO
ここまで。
もう二、三回で終わり予定。


126:名無しNIPPER[sage]
2016/04/01(金) 21:53:26.63 ID:kf6qiPWJ0
おつ


127: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/04/07(木) 03:22:48.16 ID:2PNRERnEO
断片的になにかが見えた。
頭上で初月がよく分からないことを怒鳴る。よく聞こえない。

次に意識が戻った時には四、五人の陸戦隊員たちが自分を見下ろして無線に喋りかけたり、クリップボードに挟んだ紙の上でペンを走らせていた。布の上、たぶん担架の上に横たわってる。

以下略



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