22:名無しNIPPER[saga]
2016/03/13(日) 18:02:25.91 ID:MOoPfZcj0
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P(あれから一週間が経った。貴音と顔を合わせるのも一週間ぶりとなる)
P(美希、響、そして他のメンバーは特番やゲスト出演が立て込んでいたため、一度は同行の必要があった。一方貴音はレギュラーの仕事で埋まっていたため、俺が立ち会わなくとも問題なかった)
P「……問題ない、か」
P(どちらにプロデューサーが現場すべきかは、言うまでもなかった。少なくとも理屈ではそうだった)
P(午前は1週間ぶりのレッスン。当初立ち会う予定はなかった――が、懸念を払拭するため、あるいは、彼女を結局一週間も放っておいてしまったことへの贖罪として、何とか午前中だけは立ち会う時間を捻出した)
P(抜き打ちのような形でレッスンスタジオに姿を現した俺に対し、モチベーションをあからさまに高めた美希と響がいて――似つかわしくもない動揺を見せる少女が、もうひとり)
P(――瞬間、俺は理解した。彼女は悩みから抜け出せておらず、そして諦め切れてもいないことに)
「では、始めますっ!」
三人がポジションに着いたのを見計らい、トレーナーさんが伴奏のボタンを押す。
ノイズじみた前奏が始まる瞬間まで、貴音はその指を注視していた。まるで演目が始まるのを、少しでも遅らせようとするかのようだった。
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