過去ログ - 仁奈「卒業」 -SS速報VIP

過去ログ - 仁奈「卒業」

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9: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2016/02/28(日) 19:51:48.40 ID:1mwZ3Cl30
今回だって、そう。

また保護欲のような何かが口を突いて、

「……わかったよ。見つかったら上手く誤魔化してくれよ？」

10: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2016/02/28(日) 19:53:00.55 ID:1mwZ3Cl30
「まずはここですよ！」

俺の腕を引いてまずやってきたのは、手芸部室と書かれた名札が吊り下げられた教室。

確か仁奈は中学、高校と手芸部だったはずだ。

以下略

11: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2016/02/28(日) 19:54:25.41 ID:1mwZ3Cl30
部室の中はカーテンで閉め切られている上に、窓が開いていないせいか薄暗く息苦しく感じた。

そんな室内の様子に仁奈は少し怒ったようにむっとして、

「使った後はちゃんと影干しをするようにって言ったのに……少し待っててくだせー」

以下略

12: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2016/02/28(日) 19:58:02.89 ID:1mwZ3Cl30
「お待たせしました。今着ぐるみを影干ししてるので、カーテンは閉めたままでも大丈夫ですか？」

「構わないよ」

「よかった……じゃあ改めまして、ここが仁奈が部長をしている、手芸部の部室です」

以下略

13: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2016/02/28(日) 19:59:27.67 ID:1mwZ3Cl30
「Ｐはここに座ってください。仁奈はここに……」

仁奈に言われた通り、着ぐるみの対面に座ると、彼女は俺の隣に座ってきた。

そしてこつん、ともたれるようにして頭をこちらの肩に乗せる。

以下略

14: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2016/02/28(日) 20:01:34.71 ID:1mwZ3Cl30
「Pが、面白い企画を考えて。仁奈達が、それを実行するために色んな物を作って。って、なんだかアイドルの時と一緒ですね」

「……そうだな」

「今日、なんで仁奈がここでデートしたいって言ったか、わかりますか？」

以下略

15: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2016/02/28(日) 20:02:25.22 ID:1mwZ3Cl30
「仁奈、ずっと思っていたんです。Ｐと、同級生だったらこの学園生活は、もっと楽しかっただろうなって」

「だから、ここか」

「はい。……嫌、でしたか？」

以下略

16: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2016/02/28(日) 20:03:34.48 ID:1mwZ3Cl30
「次は、教室ですよ」

部室を出て、廊下をしばらく歩いて別棟へ。

その間も、彼女は学園での思い出を語ってくれた。

以下略

17: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2016/02/28(日) 20:05:21.28 ID:1mwZ3Cl30
くすりと楽しそうに「秘密ですよ？」と、口元に人差し指を当てて笑う仁奈。

俺もまた、「ああ、秘密だな？」と同じように返す。

教室に入ると、明るい春の日差しが出迎えてくれた。

以下略

18: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2016/02/28(日) 20:06:36.50 ID:1mwZ3Cl30
仁奈が自分の席に座ったのを確認して、隣の席に座る。

この席に座ってたやつに申し訳ないと思いつつも、こいつは俺の知らない仁奈を知っているんだろうなと少し腹が立ったのは内緒だ。

「……」

以下略

19: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2016/02/28(日) 20:08:03.06 ID:1mwZ3Cl30
「Ｐは、今どんな事を考えていますか？」

「仁奈と一緒にいたら、どんな授業も楽しくてすぐに終わっちまうだろうなって考えてた」

「ふふ、仁奈も一緒です」

以下略

20: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2016/02/28(日) 20:09:11.67 ID:1mwZ3Cl30
困り笑いを浮かべながら、仁奈は自分の机を引きずるように少し動かして、ぴったりとこちらの机にくっつけた。

そして教科書を広げて、二つの机の真ん中に置く。

「……ははっ」

以下略

21: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2016/02/28(日) 20:10:56.17 ID:1mwZ3Cl30
「今日は楽しかったですか？」

茜色が差し込む放課後の廊下。

前を歩く仁奈が、振り向いて言った。

以下略

22: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2016/02/28(日) 20:11:45.34 ID:1mwZ3Cl30
「これで思い残すことはありません。仁奈はやっと、ここから卒業できます」

そう言って階段を一段だけ上がって、仁奈は振り返った。

階段の窓から差し込んだ光が、栗色の髪を輝かせて、

以下略

23: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2016/02/28(日) 20:14:02.75 ID:1mwZ3Cl30
「だから、Ｐ、約束でしたよね」

「……ああ」

そして先程仁奈は言った。「やっと、ここから卒業できます」と。

以下略

24: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2016/02/28(日) 20:15:58.06 ID:1mwZ3Cl30
「……仁奈、卒業、できましたか？」

「ああ」

「あ……」

以下略

25: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2016/02/28(日) 20:19:14.86 ID:1mwZ3Cl30
１０年後、他のアイドル達はどんな姿になっているのでしょうね。

では、ありがとうございました。

26:名無しNIPPER[sage]
2016/02/28(日) 20:26:04.26 ID:rRt0DjnAO
かわいい(かわいい)

10年後Ｐは多分アラフォーで
ほんとにパパで通るかもしれない歳なのがｗｗ

27:名無しNIPPER[sage]
2016/02/28(日) 21:49:07.43 ID:PRVJqLmG0
上田しゃんはキグルミの方向性の違いにより後継者にし損ねてるんだろうなぁ

28:名無しNIPPER[sage]
2016/02/28(日) 22:29:02.65 ID:W4o/MK9d0
この支配からの

29:名無しNIPPER[sage]
2016/02/28(日) 23:29:11.77 ID:rsRkh0Zeo
オッツオッツ

仁奈ちゃんには笑顔でいてほしいのよなぁ

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