過去ログ - 【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―3―
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645: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2016/04/29(金) 00:19:33.26 ID:Sr/oS/CP0
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「ふふっ、涙まで流しちゃって、これはいい画が出来そうだよ。ほら、さっさと開いちまいな」

 女の言葉に男の力がジワリと加えられていく。閉じていた足が開いていく、見せたくない触れさせたくないそこを守ってくれるものは何もなかった。

(いやよ……フォレオ。あたし、まだ、あなたのそばにいたいのに……)

 望みを口にしたらいけないと思いながらも、あたしはその言葉を思うしかなかった。こう思ったら臣下失格だってことはわかってるけど、思わずにはいられなかった。最後に、そう願っても罰は当たらないはずだから……

(フォレオ……助けて)

 男の手が最後の仕上げに入ろうとしたときに、女が魔法書を静かに広げてあたしに向けてくる。あれが焼き付けという行為なのかもしれない。こんな恥ずかしい姿を取られてボロボロに犯されて終わるのが、あたしの人生。そして、素直になるのが遅すぎたあたしの人生。思えば、そうだったかもしれないと内心で諦めたように笑う。頭の中が暗くなって、もう何も考えたくなくなって、ぼんやりと頭を垂れた。
 そして、大きな音が響いた。

「!? な、なによ、あんたた――」

 それは大きな物音だった。垂れた視線の先をごろんごろんと軽快に何かが横切っていく。黒い髪と驚いたままの表情、血の軌跡を描いたそれが貴婦人の生首だと気付いたときには、足に手を入れていた男が振り返って狼狽して、すぐに何やら奇声を上げる。ぼうぼうと燃え盛る炎が視界にちらつき、男がのたうちまわってやがて動かなくなった。
 何が起きたのかなんてわからなかったし、さっきまでの流れに頭が動くことを拒んでる。脇腹の傷口からドクドクと血が流れ出ているから、多分出血も相成って、考えられないのかもしれない。

「エポニーヌ!!!」

 視界にフォレオが映った。

「フォ……レオ?」
「すぐにほどきます、待っててください!」

 手がすんなりと自由になって、あたしはへたりとその場に座り込む。体中を触られたことを思い出しても、それに戦々恐々とすることはなかった。だって、今はちがうことにしか意識が向かない。


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