過去ログ - 【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―3―
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907: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2016/06/07(火) 23:45:57.27 ID:qmN0fYS50
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「カムイよ、昨日はどんな鍛錬をしたのだ?」

 ガロンも休日を楽しむ叔父のように朗らかな顔をしている。
 実の息子たちよりも愛情を注いでいるかのよう、まるでカムイこそが実の子であるかのような振舞いに、メイドたちも若干困惑している。
 だが、少しだけ察せる事情もあった。跡取りの問題で妾の争いが絶えなかったのは暗夜王国の王族関連に仕えているものはよく知っている。
 表面上は気にしいていないように見えても、実は相当気にして疲れていたのかもしれない。
 なら、今日くらいは休日のように楽しんでもらおう。メイドたちはそう考えた。だって、こんなにも仲睦まじく話をしているのだから。

「きのうはね、まほうの訓練をして、さいごにご褒美に絵本よんでもらったの」
「そうかそうか」
 
 快い返答を返すガロンに、カムイも自然と笑顔になっていく。
 この場に広がる爽やかな清涼感に似たものがあった。
 突然の訪問だから、どうなるかと思ったが案外どうにかなるもの、マクベスは安堵の息を再び漏らした。

「その絵本は、誰に読んでもらったのだ?」
「うん、まきゅべすに読んでもらったの!」

 すごくうれしそうに語る。これにはガロンも爽やかな笑顔を浮かべこう答えるのではないだろうか。

『そうか、まきゅべすに読んでもらったのか。楽しいお話だったのだろう? よし、今度はわしがじかに読み聞かせてやろう』
『うれしい、お父様』
『はははっ』

 一同はそんな見ることがそうはできないだろうガロンの表情を期待して、一斉に視線を向けた。




「――――」

 まるで般若のような形相だった。


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