過去ログ - 【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―3―
1- 20
930: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2016/06/12(日) 00:29:56.02 ID:71UUvysc0
◇◆◇◆◇




 

「では、食べさせてもらうとしよう」

 戦端を切ったのはガロンであった。その顔に不安などどこにもない、マクベスと同じ動きでハンバーグにナイフを突き立てていく姿に動揺はない。断面から溢れ出る異形の肉汁を前に慄くこともない、フォークで突き刺し口まで運ぶ、その作業工程全てがスムーズである。
 それをマクベスは固唾を呑んで見守る。マクベスとて死にたくはない。死にたくはないからと躊躇していた。結果的に仕える主君に毒味をさせているという状況なのにである。
 そして、ガロンはそれを口の中に入れた。頬張った。頬は確かにハンバーグを噛みしめるために動き、やがて喉が躍動してハンバーグは胃袋へと吸い込まれる。

「………カムイ」
「お父様、その、ど、どう……かな?」

 カムイの不安げな瞳を受けながらガロンはその頭に手を添えた。優しい優しいおじいちゃんの手である。

「手伝いを果たしたようだな」

 そう彼女を評価し、再び切り分けたハンバーグを口に運ぶ、さも美味しそうにだ。
 これにはマクベスも驚いた。まさか、このような見た眼であるというのに、普通に食べられるというのか?と。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/1087.78 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice