過去ログ - 幼馴染に貰ったぬいぐるみが喋りだした話
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18:名無しNIPPER
2016/03/05(土) 00:39:58.08 ID:OALiasat0
「傘、持ってきてないの?」

本当に久しぶりに声を聞いた。
あの時とは違い、落ち着いた響きのある声だった。

「…ああ。でも帰ったらすぐ風呂入るしさ。濡れても大丈夫だよ」

俺は早くこの場を立ち去りたかった。理由は自分でもなぜだか分からなかったが…

「家も近いしさ。私の傘に入っていけば?」

幼馴染の手には小さい傘があるだけだった。

「…いや、いいよ。遠慮しとく」

「でも、もうすぐ部活の大会でしょ。濡れて帰って風邪ひいちゃうと部員に迷惑かかっちゃうよ?」

それから断り続けるが、しつこい幼馴染に根負けし、結局相合傘をして帰ることになった。
幼馴染を放って走って帰ることもできただろう。
だが、なぜか俺にはそれができなかった…

すぐ隣にいる幼馴染は小学生の時とは違い髪も長く、女の子らしい香りがした。
小学生の時には同じくらいだった身長も、今では幼馴染を見下ろせるくらいになっていた。

あの頃とはお互い変わったんだなと、雨の降り続く空を見上げ、そんなことを思った。


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