7: ◆URZSDzTujc
2016/03/05(土) 13:55:29.05 ID:oWKQ99WdO
「ここら辺で良いかな…?人気もなくてとても静かで美しい場所だよ…」
清らかな風が私の髪を撫でる。心にまで吹くかのような風は私の中のネガティブな感情までも拭い去っていく
私は今、幸せの絶頂に居た。確実に私は幸せの絶頂に。時計をちらりと見ると『30分』はとうの昔に過ぎ去っていたようだった
不意に私は彼に名前を呼ばれる。私は幸せを感じながら彼へと振り返った
唐突に彼の両腕が私の首筋に伸びた。万力のごとく容赦せずに彼は私の細い首をへし折るかのように締め上げる
「人気もなくて…とても静かで…ここなら誰も…来ないさ…」
叫ぼうにも声がでない。涙で前が霞む。彼の表情は今までに見たこともないほど恍惚としていて狂喜すら感じさせる笑みをたたえていた
どうして?私は幸せの絶頂に居たんじゃ…コレはきっとそう、そうに違いないの
「こ……れ…は…悪い……ゆ……め…よ…」
きっと今に醒める、今に元の世界に。幸せに満ちた少し前に…幸せな『30分』へと戻れる…
その時気付いた、私の幸せは、幸せな『30分』はもう終わってたことを。とうの昔に、幸せは過ぎ去っていたようだったことを
幸せは絶望へと転落し、私の意識は一瞬で暗闇に堕ちていった
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