40: ◆2VMIBbqgAw[saga]
2016/03/11(金) 22:13:39.54 ID:n8gVf/dc0
〜 小島 〜
島風「見つけた」
那智「島風か…………すまないな」
島風「じゃあ曳航するから、早く掴まって」
那智「重ね重ね申し訳ない……。まさかまた、こうして駆逐艦に助けられることになるとはな……」
島風「……またって?」
那智「私が艦娘になることを決意したのは……幼い頃、お前と同じような駆逐艦に、こうして救われたからだ」
島風「ふぅん」
那智「あまりハッキリと覚えているわけではないのだが、たしか客船に乗っていた。
深海棲艦の出現はあり得ないとされていた海域で、客船は奴らに出くわした。
幼少の私にも容易に理解できただろう…………私はこの海で、死ぬのだと」
島風「生きてるじゃん」
那智「あぁ生きている。たった一隻の駆逐艦が我々の前に現れ……
その小さな体で、勇猛果敢に怪物共と死闘を繰り広げた」
島風「その駆逐艦は……どうなったの?」
那智「分からない。客船はすぐさまその海域を離脱してしまったからな」
島風「でも、たった一隻だったんでしょ? じゃあ多分、沈んでるよ」
那智「自分のことは棚にあげて、よく言えたものだな」
島風「私は違う。速くて強い、特別な駆逐艦だもん」
那智「ふっ、大した自信だ……。
まぁ、そういうわけで私は、あの時から今もずっと……駆逐艦に対する敬意を忘れたことはない。
駆逐艦の危機とあらば、私はこの身を挺して救ってみせると決めたのだ」
島風「そんなボロボロな体で、よく言うよ」
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