過去ログ - 俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』
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184:1 [sage]
2016/04/03(日) 00:39:07.49 ID:oa+BnG3x0

「どこ行くんだよ」「もうすぐ」

“ちょっと行きたいところがあるからもう少しだけ付き合え”と言われ、店を出てからずっとこの調子だ。

以下略



185:1 [sage]
2016/04/03(日) 00:40:34.29 ID:oa+BnG3x0

仕方なく、そのまま大通りに沿って広い歩道を真っ直ぐ進むと、やがてよく知った公園が見えてきた。

毎年この時期になると周辺の街路樹が色とりどりのクリスマスのイルミネーションで飾り立てられ、夜には定番のデートスポットにもなる。
実際、今もそこかしこに寄り添いながら語らう男女の姿が見え隠れしていた。
以下略



186:1 [sage]
2016/04/03(日) 00:43:38.99 ID:oa+BnG3x0

公園に近づくに従って何組かのカップルとすれ違ったが、この寒さのせいもあってか皆一様に、手を繋いだり腕を組んだりしている。

もしかして、傍から見れば俺たちも恋人同士に見えたりしているのだろうか。ふとそんな頭の悪い考えが脳裏を過ぎったが、軽く首を振って追い払った。

以下略



187:1 [sage]
2016/04/03(日) 00:45:53.88 ID:oa+BnG3x0

折本はそのまま俺を先導するように公園の真ん中を突っ切って進み、中央にある噴水のオブジェの前でぴたりと足を止めた。


折本「――― やっぱちょっと変わったよね」
以下略



188:1 [sage]
2016/04/03(日) 00:57:39.45 ID:oa+BnG3x0

彼女が言わんとしていことを察して、俺は返す言葉に窮する。

中学時代、誰もいない放課後の教室で俺が折本に告白した時、彼女はただひと言、“どうしてなの?”とシンプルに問うてきた。

以下略



189:1 [sage]
2016/04/03(日) 00:59:03.13 ID:oa+BnG3x0

折本「それに…変わったといえば…」

くるりとこちらを振り向いた折本の表情は、いつもと変わりなく、逆に不自然に感じるほど落ち着き払って見えた。

以下略



190:1 [sage]
2016/04/03(日) 01:00:40.80 ID:oa+BnG3x0

思いがけず折本の顔が近づいて、自然、目と目が合ってしまう。

仄かに漂う香水の香り、うっすらと化粧したことで俺の記憶にあるよりも少しだけ大人びた顔。
こんなに間近で顔を付き合わせるなんて、中学時代にもなかったことである。
以下略



191:1 [sage]
2016/04/03(日) 01:06:28.23 ID:oa+BnG3x0


「あ、はーちゃんだっ!」


以下略



192:1 [sage]
2016/04/03(日) 01:08:22.42 ID:oa+BnG3x0
ふひっ

その瞬間、思わず素で鼻が鳴ってしまう。

咄嗟に声のした方へと顔を向けると、そこにはもこもこと厚着をしてはいるものの、確かにどこかで見覚えのある幼女の姿。
以下略



193:1 [sage]
2016/04/03(日) 01:09:21.41 ID:oa+BnG3x0

「はーちゃん、めりーくりすます、おめでとー!」

仏頂面の川なんとかさんとは対照的に、幼女の方は屈託なく俺に話しかけてくる。どうやらいつの間にか懐かれてしまったようだ。

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194:1 [sage]
2016/04/03(日) 01:10:48.08 ID:oa+BnG3x0

川○「けーちゃ…京華がどうしてもクリスマスのイルミネーション見たいって言うから連れてきたとこ」

こちらに見向きもせずに、川なんとかさんがぽしょりと呟く。

以下略



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