過去ログ - 俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』
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2:1[sage]
2016/03/12(土) 00:35:26.71 ID:fXDvOLLe0


「――― 壁ドン?」


一色「そう!何と言ってもやっぱり壁ドンです!」

冬休みも明けて間もないある日の放課後、奉仕部の部室としてあてがわれている総武高校、特別棟の一室。

亜麻色をしたセミロングの髪、まだあどけなさの残る顔立ち、華奢な細い線にやや着崩した制服 ――― 俺たちの後輩、一年生にして生徒会長でもある一色いろはが、きゃぴるんとばかりにその大きな瞳をきらきらと輝かせた。

一色「素敵な男子に壁ドンされるなんて、女の子にとってはもう最っ高の萌えシチュじゃないですか!ね、先輩?」


八幡「…いや、ね?とか言われても俺知らんし」

唐突に話を振られた俺はスマホの画面から顔を上げ、一部では稲毛海岸に流れ着いた死んだ魚に勝るとも劣らぬと定評のある目を更に腐らせて一色を見た。

どうでもいいけど、ぼっちってひとりで時間潰す事が多いからスマホのバッテリー無くなるのやたら早いんだよな。その分電話帳のバックアップとかは要らないんだけど。


雪乃「一色さん、比企谷くんに同意を求めても、それは無駄というものよ」

俺の戸惑いを察したものか、いつもの定位置、つまり俺の反対側にある窓際の席に座る黒髪にして白皙の美少女 ――― 雪ノ下雪乃が手にした文庫本に目を落としたまま静かに諭すかのように、だがきっぱりと断言した。

八幡「…まぁ、そうだな」渋々ながら俺も彼女に同意する。

雪ノ下のその言い方もどうかとは思うのだが、確かに男である俺にそんな事訊かれたって答えようがないだろ…その言い方もどうかとは思うが。大事なことなんでとりあえず二回言ってみました。


雪乃「――― だって、もし仮にそんな経験があったとしたら、今頃は間違いなく刑務所の中にいるはずだもの」

結衣「って、捕まっちゃうんだ?!」

俺と同じクラスでやはり奉仕部に所属している由比ヶ浜結衣が驚きの声をあげ、その拍子にピンクがかった茶髪のお団子髪がぴょこりと揺れた。

八幡「…ちょっと待て雪ノ下、さすがにそれは言い過ぎだろ」

雪ノ下の毒舌はいつものこととはいえ、やはり後輩もいる手前、今日こそはひとつビシッと言っておいた方がいいだろう。

八幡「――― 初犯なんだから多分、情状酌量で執行猶予くらいはつくはずだ」


一色「………逮捕されること自体は認めちゃってるんですね」



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