過去ログ - 俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』
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493:1[sage]
2016/07/02(土) 02:07:55.54 ID:1FYr1HPy0

不意に雪ノ下がぴくりと何かに反応を示した。

俺達のいる歩道からさほど高くない段差の上、街路樹の生垣へと真っ直ぐに向けられた彼女の視線を追うと、仔猫が一匹、木の枝の下で小さく鳴きながら雨宿りをしているのが目に止まる。

ゆっくりとそちらに歩み寄った雪ノ下が躊躇いがちにおずおずと手を差し伸ばすと、仔猫が驚いてビクリと身を引くのが見えた。

彼女は手を引っ込め、くるりと俺に向き直り、仔猫を指さしながら今度はじっと俺を見つめる。


……… いやだからそんな縋るような目で見られてもだな。

だがこうなったら最後、嫌いな人物はと訊かれたら真っ先にシュレディンガーの名を挙げるほど筋金入りのネコ好きであるこいつはテコでも動きそうにない。ピアノでも“ネコ踏んじゃった”だけは断固として弾きそうにないし。

仕方なく自転車のスタンドを立て、ポケットをまさぐると、残り少なくなったフ○スクのケースを取りだした。

意外に思うかもしれないが、ぼっちはエチケットにはうるさい。なるたけ他人の注意を引かないように常に身だしなみや口臭などは気を遣う癖がついているからだ。

別にうるさいと言っても始終大声で「エェチィケットォオオオオオオオオオオオ!」とか叫びまくっているわけではない。そんな奴はいない。俺だってごくたまにやるだけだし。たまにやるのかよ。



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