過去ログ - 俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』
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492:1[sage]
2016/07/02(土) 02:04:38.53 ID:1FYr1HPy0

雨に濡れ、独特のきな臭い香りの漂う黒いアスファルトの歩道を無言のまま肩を並べて歩く。

ぎこちなく、確かめ合うように歩調を合わるふたりの姿を逆しまに映す水溜りに、降り注ぐ雨が絶え間なく輪を作る。

仄かに伝わる体温。柔らかな息遣い。微かな衣擦れの音。

すぐ近くにいる雪ノ下の気配を意識して火照る顔に、潮の香の混じった生暖かい風でさえ妙に心地よい。


道沿いに設置されている掲示板の前で、ふと雪ノ下が足を止めた。

そこには既に見慣れたものとなった、総武高校文化祭のポスターが貼り出されている。
文化祭までもう間もないはずなのだが、こうしてポスターを見ても、不思議とあまり実感は湧いてこない。

雪ノ下は画鋲が外れて丸まっていた角の部分を丁寧に手で伸ばす。

雪乃「相模さんも言っていたけれど、姉さんが実行委員長を務めた2年前の文化祭は、過去最大の動員数を記録しているの」

予備の画鋲を使ってポスターを止めなおしながら、雪ノ下がそっと口を開いた。

雪乃「その影響もあってか、昨年もそこそこ動員数があったみたいなのだけれど」

八幡「…… 今年はどうなんだ?」

雪乃「色々と調べてみたのだけれど、同じ日に近隣でいくつか大きなイベントが重なってて、ちょっと厳しいかも知れないわね」

八幡「だからって別にお前が気に病むことでもないだろ」

雪乃「そうね、でも…」

例え相模の補佐という立場であっても、やるからにはベストを尽くしたい … か。いかにもこいつらしい。

八幡「だったら、チーバくんを呼ぶっていうアイデアも、悪くないのかもしれねぇな」

雪乃「結局、あなたにはまた負担をかけてしまうことになってしまったのだけれど … 」



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