過去ログ - 俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』
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762:1[sage]
2017/01/03(火) 00:51:30.06 ID:4Wtthf7s0

苦笑を浮かべる葉山に、俺は先ほど海老名さんから聞いた話をそのまま、しかし情報源については敢えて触れずに伝える。


葉山「 ――― ありえない話ではないかもしれない」


俺の話に無言で耳を傾けていた葉山だが、暫しの黙考の末に選んだのは、あくまでも可能性を示唆するだけにとどめた慎重な言葉だった。

つまりそれは雪ノ下の留学の話は葉山も知らなかったということなのだろう。その割にはあまり驚いた様子が見えないのが奇妙といえば奇妙だった。


海老名「そういえば、雪ノ下さんって帰国子女なんだっけ?」

自分がその情報源であることなどまるでおくびにも出さず、ごくさりげない海老名さんの言葉に葉山が無言で頷いて見せる。

雪ノ下が帰国子女であることはもちろん俺も知っている。
そもそも彼女の所属するJ組、国際教養科は帰国子女が多いクラスだ。だから留学自体は決して珍しいことではないのだろう。だが ――― 、


海老名「でも、どうして今になって急になんだろ?」

海老名さんがぽしょりと呟く。誰に向けて問うたというわけでもないが、明らかに葉山を意識してのことだろう。

確かに問題はそこである。留学ともなればそれなりに事前準備も必要なるだろうし、その過程で何かしらの噂が洩れ伝わってくるはずだ。

どんなに本人がひた隠しにしたところで所詮人の口に立てる戸はない。また、隠そうとすればするほど逆に広まってしまうのが噂というものなのだ。

しかし雪ノ下は今までそんな素振りは露ほども見せていなかったし、それ以前にそんな大事なことを俺や由比ヶ浜にまで黙っている理由もないはずだ。




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