過去ログ - 俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』
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896:1[sage]
2017/01/27(金) 23:45:05.20 ID:0wVUU5zq0


一色「 ――― ねぇ、先輩?」


やや間を置いて、一色がそのまま背中越しに語りかけてくる。


八幡「 ……… なんだよ?」


一色「 ――― もし、もしですよ? もし私が、もうひと月早く生まれてて、もう少し先輩と早く出会っていたら …… 」


そっと一色の寄せてくる頭の重みが加わり、耳に届く切なげな溜息が微かに滲む。

伝わってくる鼓動は、俺のものか、それとも一色のものなのか。

胸の奥がぎゅっと狭まる感覚に面映ゆくなった俺は、ついそれを誤魔化すかのように、いつもの調子で捻た軽口を叩く。


八幡「 ……… 案外、お前のことだから、俺のことなんて全然気にも留めなかったんじゃねぇのか?」


例え見えなくとも、一色がふっと笑うのが気配で伝わってきた。


一色「 ……… 言われてみれば確かにそうかも知れませんね」

八幡「 ……… いや、そこは一応、否定しとこうぜ?」


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