398: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/05/09(月) 01:25:52.79 ID:HsihVarhO
少し無理をしようと敷居の高そうな店に入ろうとしたところ、制止されて近くのファミレスで落ち着いた。
…アタシのお財布事情は、筒抜けなようだ。
そこでアタシ達は、これからの話に前向きに行こうと語っていた。
だけど、話はいつの間にか思い出話になり、その話題の中心はやはり右京さんになっていた。
そして、その話は幸子ちゃんも紗枝ちゃんも詳しくは知らなかったアタシと右京さんの出会いにシフトされていた。
「人生なんて…重い言葉使いますなぁ…」
「何でだろうね。今思えばこれ、愛の告白みたい」
過去の話でのたうちまわる経験ならたくさんあるけど、それがつい半年前のことだからかのたうちまわろうにも出来なかった。
「…まあ、紗枝さんの事は分かりましたけど…まさか友紀さんも…?」
「うえっ!?さ、流石に無いよ!っていうか向こうもそう思ってるよ!」
紗枝「はて…どうだか…」
「だって考えてみなよ…。少なくとも年齢差30以上あるんだよ?」
「ボク達なんて40はいきますよ」
「これ、絶対無理だって。世間的に」
「まあでも、ウチらの中では…」
「比較的マシな部類…」
「アタシ達の中ではマシって…そんなこと言ったらキリないじゃん!」
「ふふ。冗談冗談…」
「もー…」
思い起こせば、密度の濃い時間だった。
…けど。
「…でも、楽しかったね…」
「楽しい事ばかりじゃなかったですけどね…」
「…まあ、そうだけど…」
「全て踏まえた上で、楽しい時間…」
「まあ、ね…」
…だけど。
「…せやけど…」
「…ええ」
「…もう、いないんだよね…」
…それは、もう。
過去の話となっていた。
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