過去ログ - 【ガルパン】ミカ「風の吹くままに」
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2:名無しNIPPER
2016/03/15(火) 05:19:42.05 ID:iWnFvro+0
島田家所有の演習場。門下生が今日も己の戦車技術を切磋琢磨している。
「フミカさんがいないようですね」
少し離れたベンチで島田流当主、島田千代が付き人に尋ねる。その顔は笑顔だが奥底の圧力に気圧され恐る恐る応える。
「フ、フミカ様は今日は琴を弾くから休むと出掛けられました」
「……そう」
少し考えた後、千代は付き人に後を任せると伝えるとその場を去って行った。
演習場の遥か遠くにある山の中から木々のざわめきや小鳥の囀りに紛れて琴の音が鳴り響く。
木の上には膝に乗せた小琴を爪弾く少女がいた。
「やっぱここにいた。今日もサボりかミカー?」
「今日はやるべき時じゃないのさミッコ」
赤髪を2つに縛った少女ミッコの声にミカは演奏を止めて答えた。
「それ昨日も一昨日もその前も言ってたじゃん」
「過去は過去さ。大事なのは今その瞬間をどうするかだ」
「相変わらずだねえミカは……よっこいしょ」
「ミッコも練習はいいのかい?」
「あたしの車長はミカだからね。車長がいなきゃ練習になんないよ」
ミッコはミカの近くの太い枝へよじ登ると幹に凭れ目を閉じる。
その様子を見てミカは再び小琴を奏でる。
木の上は心地よい風が吹く。森の心地良い香りも運ばれてくる。二人のお気に入りの場所だった。
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