過去ログ - ゆき「亜人?」
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376: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/06/21(火) 00:15:31.32 ID:LyKVpolZO

今度は胡桃がめぐねえの頭を持つことになった。遺体に死後硬直はみられなかった。もっとも、いったいどの時点を彼女の死後と見なすかはだれにも分からないことではあった。胡桃は脚立をゆっくりと降りていった。めぐねえの頭をゆっくり穴の底に置き、脚立を降りてくる永井を手伝った。めぐねえの背中が穴底にくっつき、下半身は永井が抱えている状態になった。胡桃は頭のほうにまわり、肩を掴んで遺体を引っ張り、めぐねえが完全に横たわるようにした。


遺体の安置がおわった。永井は脚立をのぼって穴から出た。それから、遺体の頭のほうにいる胡桃が穴から出られるよう脚立を持ち上げて、移動させた。地面にあがった二人は、ふたたびシャベルを手にとった。穴を埋める作業は、それまでの重労働にくらべるといくらか楽な作業だった。不思議なことに土をかけているあいだ、時間が引き延ばされているような感覚が起こった。それは胡桃だけでなく、永井にも感じられた。それでも、作業はちゃんと終了した。


永井と胡桃は盛りあがった土をシャベルで叩いて地面を均した。そこに校庭の花壇の木柵からつくった十字架をたて、ひとつの墓ができあがった。作業はおわったが、胡桃はまだ立ち去る機会をつかめずにいた。永井は桜の木の枝にかけていたジャージのポケットからハンカチを取り出し、胡桃に差し出した。胡桃がハンカチを開くと、そこには遺髪がひと房おさめられていた。


胡桃「これ、なんで……」

永井「屋上にも墓にもなにか埋めておいたほうがいいだろ」

胡桃「……」




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