471: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/08/10(水) 22:44:37.28 ID:xQt0KHc3O
胡桃は、永井のシャツの胸元を力任せに掴むと、背筋の利用してめいいっぱい仰け反り、永井の体を持ち上げ射線から逃そうとした。伸び切った背筋が胡桃の感じる恐怖のせいでこれ以上ない程強張っていた。胡桃の腕と背中にさらに力が入る。永井の頭部が曲線上の頂点を越えたとき、頭に空いた穴からこぼれ落ちた血が胡桃の顔や胸にかかった。胡桃は、のしかかってくる永井の身体にまかせるようにして、地面に倒れた。減音された銃声が三度響いたあと、二人を隠している車のフロントライトが割れた。
胡桃「あっ……!」
永井の穴はまだ塞がっていなかった。胡桃は咄嗟に頭部の両側に空いたいくつもの穴を手で塞ぎ、これ以上血が流れ出ないようにした。永井の血は手袋に浸透し、胡桃の手の平を赤く汚したが、血の流出はそこで止まった。永井の身体から黒い粒子が湧き起こり、時間が巻き戻ったかのように致命傷が治っていく。
永井「!」
胡桃「目ぇ覚めたかよ」
永井の目が開き、胡桃が安堵の表情を零す。
永井「恵飛須沢……」
胡桃「生き返ったなら、のいてくれ。重い」
永井「どれくらい死んでた?」ムクリ...
胡桃「そんなに長くない。一分かそこらだ」
永井「スマホを貸せ。奴らの位置を……」
584Res/446.78 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。