475: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/08/10(水) 22:50:03.45 ID:xQt0KHc3O
永井「おい、待て……」
黒い幽霊が男に向かって走り出した。男は銃撃をやめ、テリー・レノックス的な態度を見せる左足をなんとか車内に収め、後部座席のドアを閉めた。幽霊の右腕がドアを貫通し、そのままドアを引きちぎる。発砲音のあとに、ふたたび銃弾が潰れる音。防犯ブザーは走り来る幽霊に踏み潰されていて、ブザーの誘導音を失った“かれら”が幽霊のいる自動車のまわりをウロウロしている。
永井「ちゃんと殺してから行けよ!」
幽霊をののしる永井に向けて、隊員が拳銃を持つ手をあげた。永井はすぐさまリセットできるよう右手でドライバーをつかみながら、その場から飛び退ろうとする。拳銃の安全装置はすでに外されていた。スライドも引かれ、撃鉄も起きている。
隊員はとっさに急所を避け、もっとも当てやすい箇所である腹部を銃撃した。拳銃から発射された銃弾は五発。四発が永井に命中した。そのうちの三発は永井の腹部を貫き、うち一発が脾臓を破裂させた。のこりの一発は右腕にあたった。肘の関節にぴったり命中した銃弾は、右腕の使用を不可能にした。隊員の射撃は、地面に背中をつけた状態から上体をわずかに起した体勢で行われた。そのため永井の身体には、腹部の射入口より、背中にある射出口のほうが高い位置にあった。
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