478: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/08/10(水) 22:54:23.05 ID:xQt0KHc3O
頭部を駆け巡る疼痛を堪えながら、隊員はふたたび拳銃を取り出し、背面をさらす胡桃に向かって拳銃を向ける。胡桃は地面に落ちた麻酔銃を手に取ると、右手を左脇から通して背後に向けて突き出し、その勢いを利用して身体を反転させながら麻酔銃を撃った。
隊員が拳銃を撃ったのもほぼ同じタイミングだった。麻酔ダートは運良くボディアーマーの隙間に命中し、またたく間に麻酔薬が隊員の全身に広がった。隊員の身体が地面に沈むのを見て、胡桃はむくりと起き上がり、息を吐いた。安心したところで右の上腕の違和感に気づき、右腕を顔の前に持ってくると、包帯が巻かれた箇所の皮膚が裂け血が滲んでいた。
胡桃「掠っちゃってるよ……」
永井「ハッ……」
短い笑いを漏らすとともに、永井の身体から支えが消えた。同時に、発生しつつあった黒い幽霊の群体も霧消し空気に溶けていく。
胡桃「永井!」
胡桃が永井に駆け寄る。すでに再生は完了していて、永井はゆっくりと身体を起こした。それを見た胡桃はほっとしたあと、皮肉をぶつけた。
胡桃「何回死ねば気がすむんだ、おまえは」
永井「やつを拘束して運ぶぞ」
胡桃「さっき言ってたことと違うじゃん」
永井「殺さず無力化できたんだ。情報を引き出すチャンスだ」
胡桃「じゃあ、もう殺しはなしってことでいいんだな?」
永井「状況に応じて対処が変わるのは当然だ」
胡桃「ああそう」
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