過去ログ - ゆき「亜人?」
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536: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/09/01(木) 23:26:46.01 ID:0CmWCKBVO

永井は文庫本を閉じ、椅子をたたんだ後、胡桃といっしょにキャンピングカーまで戻って朝食をとった。洗濯物が乾くまでの間、残りの食糧と水の確認と通行予定のルートの再確認に時間を使った。それが終わると、今度はポールに括り付けられた防犯ブザーを慎重に取り外した。キャンピングカーの荷物入れにポールを収納すると、出発の準備は完了した。

本日の運転は美紀が担当することになった。美紀は駐車場でのおそろしい体験がいまだ忘れられず、車の運転に対して必要以上に神経を使ったし、神経に障りもした。


胡桃「どうせあいつらしかいないんだし、轢いちゃっても大丈夫だって」

美紀「そんなのアドバイスじゃないです」


キャンピングカーのタイヤが、美紀の運転の慎重を表していた。川辺からじりじりと川沿いの道へと上りきる手前、進行方向である右に出るために角度のついたカーブを曲がるため、美紀はハンドルをぐるりと回した。


永井「もっとアクセルを踏み込んで」


永井の言葉にしたがって美紀はアクセルペダルをぐっと踏んだ。それに呼応してキャンピングカーがぐいっと前進したとき、フロントガラスに空を飛行する鳥のような黒い影が映り込む瞬間を美紀の目は捉えていた。直後、鈍い音と衝撃がキャンピングカーの車体を響かせ、鳥を思わせた影の正体は地上を走るなにかであったが、そのなにかは車と衝突した衝撃で宙を舞うことになった。それはそのまま土手に落ち、傾斜を転がり落ちると、丸い石の上で動くのをやめた。



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