539: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/09/01(木) 23:33:16.09 ID:0CmWCKBVO
中野と呼ばれた男が左の肋骨の下を押さえた。車に跳ね飛ばされ土手を転がった際、地面から露出した石の尖った部分がその箇所を刺したのだ。中野のTシャツの穴が空いたところから、赤い血がじわりと滲んでいた。
美紀「お、お知り合いなんですか……?」
永井「ああ。こうなる前、こいつといっしょに行動してた」
美紀の顔がサァッーと青くなった。
永井「大丈夫。問題ないよ」
永井は、ごく当然の事実を告げるように美紀に言った。その声の調子は慰めの効果を発揮するには、平然とし過ぎていて、美紀の動揺はすこしもおさまらなかった。
胡桃「とにかく、手当しないと。まずは車まで運ぶぞ」
中野「これくらい平気だって……」
胡桃「なに言ってんだ。その足、折れてるじゃねえか」
永井「はあ? なにやってるんだよ、中野」
呆れたように永井は言い放った。その言葉に、胡桃は永井をキッとにらみ、美紀はその言葉が自分に投げかけれたわけでもないのに、ビクッと身体を震わせた。
胡桃「永井、そっちの手を持てよ」
中野「いや、だからさ……」
永井は拳銃で中野の頭部を撃ち抜いた。
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