過去ログ - 二宮飛鳥「ボクに与えられたヒカリ」
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17:名無しNIPPER[sage saga]
2016/03/21(月) 21:40:56.63 ID:hXZclz6V0
次の日、プロデューサーの男性がボクの家を訪ねた。
何の用があって訪ねてきたのか。
それは、その男性の勤める事務所は、東京を本拠地にしている。
そのためボクがアイドルとなる場合、この静岡を発たねばならないのだ。
そのことに対するボクの親への説明、そしてボク自身による説得のため訪ねてきたのだった。
ボクの親は、とても動揺している様子だった。

そんななか、プロデューサーの男性が説明を始めた。
ボクが故郷を離れて東京にある女子寮で生活をすること。
生活に不自由がないようにすることの保証。
あとは…正直、ボクにはまだ早い話だった。

「……で、説明を以上とさせていただきます」

彼が説明を終えて、しばらく沈黙が続いた。

「…飛鳥は、本当にアイドルになりたいの?」

口を開いたのは、母さんだった。

「…ボクは、本当にアイドルになりたいんだ」

何も考えていなかったけど、口を開けば自然と言葉が出てきた。

「一番は、今の自分を変えたい。そして、テレビで見たアイドルみたいに、ボクも輝きたいんだ」
「今の惨めなボクを救ってくれたのは彼なんだ。彼が言う、ボク自身の可能性を信じてみたい。お願い、母さん」

喋っているうちに、自然と涙が流れていた。
親も、心底驚いている様子だった。
それもそのはず、今まで強くモノを言うことがなかったボクが初めてモノを強く主張したのだから。

「…父さんは、どうかな」

父さんは柔らかな性格だが、今回は難しい顔をしていた。

「……飛鳥」

「…はい」

「……応援しているぞ」

「…っ!……うん、父さん!」

父さんはそれだけ言って、席を外してしまった。
母さんも承諾してくれて、ボクは晴れてアイドルとなった。


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