31:人外好き ◆HQmKQahCZs[saga]
2016/03/30(水) 19:44:23.31 ID:8mduaUid0
「マス、ター?」
「え、えぇ、な、なんで?」
僕が狼狽したのはいきなりアンドロイドを見つけたからではない。
アンドロイドがひどく驚いた顔で僕を見ていたからだ。
無表情ではない。少し目を見開いて、右手を口に当て、僕を見ている。
「あ、あの、これは、ですね」
そう口に出す台詞もうろたえていて、いつもの喋り方とは違う。
「ご、ごめんなさいマスター。でも」
「君は」
つまり感情に溢れていて、人間染みており
「人間になったの―――?」
「マスターに愛されたかったのです」
そんな幻想染みたことを口に出してしまえるほど―――
今耳から入ってきた言葉に思考がショートする。
今にも泣き出しそうな表情で僕を見つめるアンドロイドが言った言葉は何だったか。
アイシテル。
幾度となく本の世界で見かけたその言葉は
「私は、マスターに愛されたい、のです」
僕の正常な思考を奪うのに十分な威力があった。
第一話『アンドロイド+?=人間』
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