過去ログ - ヴェロニカは一撃で死ぬことにした
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335: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2016/05/10(火) 11:18:52.78 ID:we97WyzX0
すっかり壊れた脳だって、酸素を取り入れてケムリをあげる。
今やもうヴェロニカの遺体は、白いケムリを上げすぎて、なんだか輝いているようにも見えたよ。

ジョージはそんな彼女の身体を、びっくりして目を白黒させながら見つめるばかりさ。


336: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2016/05/10(火) 11:20:13.89 ID:we97WyzX0
巻き起こるケムリが、少し薄れた頃にかな。

光の中、ヴェロニカが目を覚ましたんだ。

ずいぶん長く寝ちゃってて、ちょっぴり頭がぼうっとしてたけど。
以下略



337: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2016/05/10(火) 11:21:23.24 ID:we97WyzX0
「ヴェロニカ、ヴェロニカ、おお、ヴェロニカ!」

ジョージは泣いたよ。
悲しいからじゃあない。嬉しくて、嬉しくて、なんだかもう信じられなくって。
かみさまがちょっぴりくれた奇跡に、感謝をして、泣いたんだ。
以下略



338: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2016/05/10(火) 11:23:55.95 ID:we97WyzX0
けどね、ヴェロニカは夢の中で。
おとうさんと、おかあさんに会ったんだ。

だから、自分が今の今まで、死んでたんじゃあないかって。
そう、気付いた訳なんだ。


339: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2016/05/10(火) 11:25:31.78 ID:we97WyzX0
「ジョージ、聞いて。わたしはね、死んでも、殺しても、死なないの」

ニッコリ笑ってヴェロニカが言う。

「こんなわたしを、永遠に、永久に、愛するなんて、本当に出来る?」
以下略



340: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2016/05/10(火) 11:26:50.89 ID:we97WyzX0
朝日が昇る。
小さな小さなこの町を、明るいオレンジ色に染め上げる。

この日を最後に、生きたがりのヴェロニカは。
死ぬ事なんて、無くなったそうだよ。


341: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2016/05/10(火) 11:27:51.24 ID:we97WyzX0
二回目のキスは、幸せの味がした。
ものがたりはさ、やっぱりこういう文章で、締めくくられるべきなんだ。

二人はいつまでも、永遠に、永久に。
幸せに暮らしました。
以下略



342: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2016/05/10(火) 11:28:49.58 ID:we97WyzX0
12

締めくくるって言ったけど、最後に一つ、言わせて欲しい。
それから後の事なんだけど。

以下略



343: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2016/05/10(火) 11:30:10.91 ID:we97WyzX0
しばらく月日が経っちゃったけど、この小さな町は相変わらず。

サムさんのパンは美味しいし。
ゴードンさんはパソコンいらず。

以下略



344: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2016/05/10(火) 11:31:10.80 ID:we97WyzX0
マダム・ジョッシュはいつも通り綺麗で。
ベンさんにお酒を振る舞っていたよ。

そんな町の人々が、怪我や病気をするたびに。
お医者様の先生は、張り切ってへたくそなオペラを歌うんだ。


345: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2016/05/10(火) 11:32:18.52 ID:we97WyzX0
そんな小さな町の中、ヴェロニカと、ジョージと、マリアの姿は無かった。
三人がどこに行ったのか、知ってる人はいなかったよ。

けどね、小さな町の人たちは、ちっとも心配なんかしてないんだ。
生きたがりのヴェロニカと、へんてこジョージと、妹マリア。
以下略



346: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2016/05/10(火) 11:33:13.26 ID:we97WyzX0
小さな町から離れた場所で。
遠いとおい、遥か彼方で。

これからおとうさんになる人と、これからおかあさんになる人が。

以下略



347: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2016/05/10(火) 11:34:40.81 ID:we97WyzX0
「産まれてくる子に、どんな事があろうとも ……強く、たくましく、生きますように」

って!


348: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2016/05/10(火) 11:35:06.85 ID:we97WyzX0





以下略



349: ◆eUwxvhsdPM[saga sage]
2016/05/10(火) 11:36:35.30 ID:we97WyzX0
最後までありがとうございました。
書きながらもうこれSSじゃないなって感じでした。

・「あっしがおっ死んじまった話」
・あやかしの地獄
以下略



350:名無しNIPPER[sage]
2016/05/10(火) 11:54:32.60 ID:D0uCjzE0o
おつおつ
良かった


351:名無しNIPPER
2016/05/10(火) 12:13:05.33 ID:/5jhOAY7O
おつです


352:名無しNIPPER[sage]
2016/05/10(火) 14:28:26.41 ID:1OrpUvpf0
いいものを読ませてもらった


353:名無しNIPPER[sage]
2016/05/10(火) 17:30:09.08 ID:6vHhY0BYo
おつ!
メチャクチャ面白かった!


354:名無しNIPPER[sage]
2016/05/10(火) 20:51:21.79 ID:5Crpt5XWo
長さを感じさせないスラスラと読める文章で書かれた本筋は勿論面白かったんだけど、
そんな中でも毒料理作るとことギャング同士の抗争のシーンがお気に入り。
町の人たちも作品が書けそうなぐらいキャラが立ってたし、彼らがメインのお話しも読んでみたいなぁとか思っちゃった。

とにもかくにも楽しい作品をありがとうございますでした。乙!


355:名無しNIPPER[sage]
2016/05/10(火) 23:02:43.90 ID:b527NKS1o

久し振りに良い話を読めた
是非また書いておくれ


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