12:名無しNIPPER
2016/03/20(日) 20:25:20.64 ID:r/YI2ILr0
「なッ・・・・・・笑わなくていいじゃないですか!」
「いやいや・・・はははっ・・・青春しているな〜と思ってな」
「恥ずかしい・・・・・・」
「良いじゃないか。そこまで強い思いを持てる君の未練は自ら解決することで、成仏できそうじゃのう」
自ら解決、か・・・・・・。
「できるならしたいですけど、幽霊の僕にはできないんじゃないかなー・・・・・・なんて」
僕が言うと、老人は「ふむ・・・」と言って少し考える。
なんていうか、僕のせいで作業をストップさせてしまうのが申し訳ない。
「ひとまず、幽霊にできることは、わしが知っている限りのことは話そう。それをどうにかして解決せい」
「はぁ・・・・・・」
それから、老人は幽霊にできることを教えてくれた。
僕の理解力がないせいで、時間をかけてしまったが、なんとか全部理解することができた。
「なるほど。ありがとうございました」
「良いんじゃよ。わしだって好きでやっとるんじゃし」
「いやホント、なんかすいません・・・・・・僕のせいで時間をとってしまったし」
「気にせんでええわい。お前さんはなぁ、昔のわしによー似とるんじゃい」
「昔の・・・・・・貴方?」
「わしもなぁ、幼馴染にずーっと恋しとったんじゃ。結局フラれてしまったんじゃがのぉ」
「そうなんですか・・・・・・」
「ははっ、しんみりさせるつもりじゃないんじゃがのう。今じゃ顔すら思い出せんが、好きだったということだけは覚えとるんじゃ」
「好きだった、か・・・・・・」
「あぁ。と言っても、すぐに切りかえて別の女と結婚したんじゃが、2年前に亡くなったんじゃ」
それがこの墓ってわけか。
僕はその墓石を見る。なんか、すごい手入れされている。覗き込めば顔が映り込みそうなほどピカピカだ。
「そういうわけじゃ。だから、お前さんも好きな子のために最後の頑張りをしてきなさいな」
老人の言葉に、僕は大きく頷いた。
「はい!」
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