過去ログ - 高槻やよい「思い出はもやしと共に」
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43: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/25(金) 05:36:19.03 ID:zvA6/JAB0
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玄関を開けて聞こえてくる、賑やかな声。
ぱたぱたと足音を立て、廊下の奥からやって来るのは、今年六歳になる私の娘。
44: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/25(金) 05:37:43.61 ID:zvA6/JAB0
「すみません千早さん。先に始めてもらっちゃって」
「ううん、いいのよ。そんなに手の込んだ物を作るわけじゃないし……萩原さん達とは、ちゃんとお話できたかしら?」
45: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/25(金) 05:38:49.97 ID:zvA6/JAB0
「うん、似合う似合う! 今度おねーちゃんに会ったら、はづきもちゃんとお礼言うんだよー?」
「えへへ……真おねーちゃんのお洋服、可愛いからはづき大好きなんだー♪」
46: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/25(金) 05:42:25.02 ID:zvA6/JAB0
にっこりと笑顔で、私は彼女に持っていた「ケロケロビスケット」の空き箱を見せました。
すると、分かりやすいくらいに千早さんがうろたえだして。
「たしか私、お店では『一箱だけなら買ってもいいです』って言いましたよね?」
47: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/25(金) 05:43:42.40 ID:zvA6/JAB0
くるりと隣の部屋を振り返ると、こちらの様子をうかがっていた三人が、一斉に顔を逸らして。
せめて今日ぐらいは怒らないようにしたかったけど、それはそれ。きちんとケジメはつけないといけません。
48: ◆Xz5sQ/W/66[sage]
2016/03/25(金) 05:44:57.92 ID:zvA6/JAB0
とりあえずここまで。
49:名無しNIPPER[sage]
2016/03/25(金) 07:40:53.13 ID:+78wvPQAO
乙
50: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/25(金) 18:43:18.33 ID:zvA6/JAB0
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「そういえば、響と貴音からお祝いのメールが来てたぞ」
「そうなんですか? なら、後で返事を送らなくちゃ」
51: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/25(金) 18:44:46.78 ID:zvA6/JAB0
食事をしながら、わいわいがやがや、みんな思い思いにお喋りを楽しんでいました。
普段は三人の食卓なので、こうしていると実家暮らしを思い出し、なんだか懐かしい気持ちにもなります。
高校を卒業して、彼と結婚して、すぐにはづきが生まれて……
52: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/25(金) 18:45:55.30 ID:zvA6/JAB0
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かちゃかちゃと食器を片付けていると、もそもそと彼が隣の部屋からやって来て、私の近くに座りました。
「お水、飲みますか? あずささんに、だいぶ飲まされてたみたいですから」
53: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/25(金) 18:47:12.64 ID:zvA6/JAB0
彼の言葉で思い出す、昔の記憶。
当時の私は、アイドルとしても、そして恋する少女としても、まだまだ未熟なものでした。
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