15: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 00:29:38.60 ID:vxIFxQsM0
彼女はたしかにあのとき、俺の意に沿えないと、そう言った。
暫く愕然として、思わず足まで止まってしまう。
トップアイドルを目指して、二人で頑張っていた、か?
彼女は俺の夢を叶えるためにアイドルをしていたはずではないのに。
彼女は自分が輝くために、そしてファンに夢を与えるためにアイドルを始めたはずなのに。
彼女は終ぞ、自分に甘かったことはなく、申し分ない努力を積み重ねていたのに。
ただ、ほんのひとかけらだけ。才能と呼べるものが、足りなかっただけで。
彼女は最後の最後まで、俺の夢のことを気遣っていたことに、今更になって気付いた。
成功を焦る彼女の気持ちを、もう少しだけでも理解できていたなら。
気持ちばかりが逸り、積み重なっていた負担に、もう少し早く気付けていたなら。
彼女はあれほどまでに傷つく必要は、なかったんじゃないか。
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