64: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 03:05:55.53 ID:vxIFxQsM0
のあ「貴方からは私がなにに見える? ……ひと? ……兎?」
ある雑誌の特集で、モデルが色んな動物の格好に扮して撮影するという企画があって、彼女にふられた動物は、兎だった。
……兎だった、はずなのだが。
衣装決めの段階で、彼女が俺に見せてくれたその姿に、思わず目を奪われてしまった。
いつものようなサイバーな模様もなく、牡丹雪が幾つも集まったような白色のベースに、要所に金色をあしらった彼女は、寒気を覚えるほど美しかった。
異性に抱くような綺麗や美しいといった美辞麗句以上に、女神を象った彫像を目の前にしたような、絶対的に屈服させられてしまう感覚があった。
偶像。形容するなら、まさしく彼女は偶像というべきだった。
その後、出来上がった雑誌の本稿を見てみると、記事を担当したひとは、彼女を"トランセンドバニー"と形容していた。
あの彼女をして、超越する兎とは、なるほどよく考えたものだと感心してしまった。
人間を越えてしまったと思えるほどの美しさと、微かに紅色に色づいた頬の暖かみが眩しい。
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