67: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 03:09:04.93 ID:vxIFxQsM0
のあ「……ひとつ、わからないのだけど」
のあ「……私は、ちゃんとアイドルになれているかしら」
68: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 03:10:09.16 ID:vxIFxQsM0
自分はアイドルになれているか。
彼女のその言葉には、不安が滲み出ていた。
69: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 03:16:59.61 ID:vxIFxQsM0
ふと、仕事用の携帯に着信が入る。
こんなときに誰からだろうと思いながら、着信画面に記された番号を見て、なにかの間違いじゃないかと思った。
70: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 03:18:09.10 ID:vxIFxQsM0
「……もしもし」
柔らかな声が、耳朶を打つ。
71: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 03:20:06.54 ID:vxIFxQsM0
もう何年も入っていない喫茶店に入る。
あまり広くもなければ、変に趣向を凝らしてあるわけでもないその店は、記憶の中の風景のままだった。
72: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 03:22:57.46 ID:vxIFxQsM0
時間が止まったんじゃないかと思うくらい静かな店内には、客が俺と彼女しかいなかった。
卯月「のあさんのことなんです」
73: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 03:24:29.12 ID:vxIFxQsM0
卯月「わたしがアイドルをしていたとき、自主練でジョギングしてたんです」
卯月「いつも夜に、大きな公園の中を突っ切って走っていたんですけど、そこでのあさんと初めて会ったんです」
74: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 03:29:22.51 ID:vxIFxQsM0
卯月「それからすぐに、のあさんがアイドルとしてデビューしたのを知ったときは驚きましたけど」
少しだけ、くすぐったそうに彼女は笑った。
卯月「わたし、のあさんのこと、ファンとして応援してるんです。ライブにも何回も行きましたし」
75: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 03:31:38.25 ID:vxIFxQsM0
P「学校の、先生」
卯月「はい。アイドルを諦めて、暫くなにもする気になれなかったんですけど」
76: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 03:38:03.87 ID:vxIFxQsM0
卯月「だから昨日、気まぐれに当時走ってた公園に散歩に出かけたとき、本当に驚きました」
卯月「だって、あのときみたいにのあさんが、星を見ていたから」
77: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 03:38:43.58 ID:vxIFxQsM0
卯月「貴女に近付けたのかしらって。わたしに言うんですよ」
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