99: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 04:08:38.18 ID:vxIFxQsM0
卯月「ねえ、プロデューサーさん」
P「うん?」
100: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 04:10:07.41 ID:vxIFxQsM0
卯月「アイドルしていたころの歌は、いまでも歌えますよ」
別れ際に、彼女がそう言った。
P「S(mile)ING! か」
101: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 04:12:33.49 ID:vxIFxQsM0
ひとひらの花弁が降り積もるようにして、それから、暫くの時間が流れた。
102: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 04:13:47.22 ID:vxIFxQsM0
ある日に、高峯のあを擁するうちのプロダクションは、とある発表を行った。
多くは語らず、ただ開催する旨とその日取りを告げた。
もはや、それだけでよかった。
103: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 04:14:20.26 ID:vxIFxQsM0
彼女はいままで以上に精力的に仕上げた。
一切の妥協を許さず、常にベストパフォーマンスを心がけた。
可能な限り俺も彼女の傍について、手助けをした。
104: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 04:15:25.49 ID:vxIFxQsM0
過去に類を見ないほどの過密なスケジュールに、流石の彼女も苦心しているようだった。
それでも彼女は、折れることもなく歌い続けた。
105: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 04:15:58.73 ID:vxIFxQsM0
ライブをこなすごとに勢いを増しながら、いよいよ残すところ、あと東京の一公演にまで辿り着いた。
彼女は、心身ともに消耗が激しい状態だったが、逆にその状況を楽しんでいるようにも見えた。
106: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 04:16:40.90 ID:vxIFxQsM0
ライブの始まりは、照明の落ちたステージに、ステージ中央の昇降するステップから彼女が登場することで始まる。
P「高峯」
ステージ裏で、彼女に声をかけた。閉じていた目を開けて、彼女は俺を見た。
107: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 04:17:26.21 ID:vxIFxQsM0
のあ「貴方の担当するアイドルが、頂点に咲く瞬間を」
そう言って、彼女はステップへと歩を進める。
108: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 04:18:13.45 ID:vxIFxQsM0
彼女を乗せたステップは、音もなく上昇した。
暗闇に、しかし彼女の銀の髪は、完全に融けることなくなびいた。
109: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 04:19:05.37 ID:vxIFxQsM0
予定されていた曲目が終わり、アンコール曲が終わってもなお、会場全体が沸いているようだった。
そして、明かりが灯りきったステージに高峯のあが現れ、謝辞を述べた。
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