過去ログ - 【ごちうさ】チノ「ハッピー・シュガー・ライフ」
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34: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 22:20:18.29 ID:Nlo6ISTLo

「……あれ?タカヒロさんが居なくなったのが昨日の夜で……って随分早いのね、決断……。というか、そんなに急がなくても……」

ビクリ。
肩が揺れる。
以下略



35: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 22:25:53.09 ID:Nlo6ISTLo
私の目を見続けるシャロさん。
私も見つめ返して、離さない。逸らさせない
服を辿るように右手を、そっと、ゆっくり、腰のポーチの上に、移動させて。

「何で、そんなこと、聞くんですか」
以下略



36: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 22:30:23.97 ID:Nlo6ISTLo
簡素な裏口から店を後にして、控室から戻ったシャロさんをガラス越しに窺います。
お客さんの前で振りまく笑顔。淀みのない手さばき。
――おそらく、気付かれた。
でもそれを言いふらす様子も、引き止める様子もない。
私がシャロさんだったら、どうするでしょうか……。
以下略



37: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 22:33:04.69 ID:Nlo6ISTLo

―――

黄色になった葉が石畳に落ちて、その上を靴が、車が、何度も何度も踏みつけます。
避けて歩く人なんていません。私も。ココアさんの待つ場所へ。避ける余裕もありません。
以下略



38: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 22:36:52.64 ID:Nlo6ISTLo
―――

「……っと。こんなものですね」

パンパンになった旅行かばんと、散らかった部屋をぐるり見回す。
以下略



39: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 22:38:26.65 ID:Nlo6ISTLo
―――

重い車輪が、がたんごとんと田舎町を滑っていきます。
私がこの街を離れるのは二度目。そして、多分最後。
目に焼き付けようとした風景はあっという間に夜の闇に飲まれ、沢山の灯りの一つになっていきます。
以下略



40: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 22:41:07.40 ID:Nlo6ISTLo
でも。
でも。
ベッドは幸せ。食べ物は幸せ。家は……幸せなもの。
幸せが欲しい。幸せを分かち合いたい。
窓を流れていく何百という光を見て思うのです。
以下略



41: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 22:45:48.12 ID:Nlo6ISTLo
―――

「すみません、私の準備不足でした……」

「チノちゃんのせいじゃないよ! ほら、どこか泊まれるところ探そう?」
以下略



42: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 22:47:59.63 ID:Nlo6ISTLo
しかし、気になるのは……。

「あー……金ねぇ……けどカラオケ行きてー、あとメシ」

「盗っちゃえ盗っちゃえー! そのへんのオッサンとかシバけばヨユーっしょー」
以下略



43: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 22:58:44.06 ID:Nlo6ISTLo
「チノちゃん、だっけ? 君も可愛いねー、どう? 俺たちと遊ばない?」

「……なして」

「ん? なに?」
以下略



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