過去ログ - 【ごちうさ】チノ「ハッピー・シュガー・ライフ」
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51: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 23:13:28.12 ID:Nlo6ISTLo
―――

「ありがとうございましたー!」

お客さんを追いかけて、埃っぽい店内に響く元気な声。
以下略



52: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 23:15:29.09 ID:Nlo6ISTLo

「お疲れ様でした。では、また明日」

「またね! おじいちゃん!」

以下略



53: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 23:17:36.31 ID:Nlo6ISTLo

もう。いつまでたっても変わりません。
ココアさんはそうやって私のことを子供扱いして!
……でも、甘え下手な私は、そんなココアさんの性格に感謝することもあったりします。

以下略



54: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 23:18:17.33 ID:Nlo6ISTLo

「今日の買い物は決まってますから。はい、ココアさんは八百屋さんをお願いします」

「はーい! ちゃんと買ってきたら、帽子……」

以下略



55: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 23:21:16.18 ID:Nlo6ISTLo
少し重くなった荷物を手に橋の前で合流して、誰もいない一軒家に二人きりで帰ります。
二階建て。木造。築何十年。夕闇の町に灯る明かりたちの中で、なんでもない小さなひとつ。小さいけれど、庭もあります。

「たっだいまー!」

以下略



56: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 23:27:08.46 ID:Nlo6ISTLo
えーと、なんて天井を見つめるココアさん。そんなとこに書いてはありませんよ。
本当に大丈夫でしょうか? ちょっぴり、不安です。

「まず、挨拶は大事!」

以下略



57: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 23:28:01.52 ID:Nlo6ISTLo
お小遣いはちゃんとあげてますが、それを無計画に使ってしまうのがココアさんです。
お金を手に持つと、使いたくなっちゃう性格なの! なんて言って、お小遣いを渡すと色んなものを買ってきます。買ってきてくれます。
私の部屋にあるものは、大抵がそうしたココアさんからのプレゼントなわけで。
……うれしい。
本当は布団でゴロゴロ転がりたくなるくらい、嬉しいんですよ。
以下略



58: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 23:29:26.64 ID:Nlo6ISTLo
ぱちぱち、と寂しく手を鳴らしながら、心がぐるぐると巡るのは同じ場所です。
私は、ココアさんに隠し事をしています。
ココアさんとの『約束』を既に破ってしまっているんです。
そのことについては聞かないで欲しいと、ココアさんに『お願い』をしています。
もちろん、それがココアさんにとって、私たちにとって、良い選択だと思うからです。
以下略



59: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 23:31:32.99 ID:Nlo6ISTLo

「この家を手に入れた方法を聞かないでください」
「二階の奥の部屋に絶対に入らないでください」

怪しすぎるお願いだけど。
以下略



60: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 23:32:12.65 ID:Nlo6ISTLo
―――

ぎしっ、ぎしっ、ぎしっ。
階段を上って、突き当たり。
そこを右へ曲がって、奥の部屋。窓の無い部屋。
以下略



61: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 23:36:39.16 ID:Nlo6ISTLo
部屋に入ってまず目に飛び込むのは、壁紙にべったり塗られたカーキレッド。
派手な赤だったものが、日が経つにつれて黒に近づいていきます。
赤いバラ園は、黒のバラ園へ。
床にばら撒かれているのは同じく赤く染まった本。本。本。
やだなぁ、カーペットまで染みちゃって。この部屋を元どおりに掃除するのは大変そうです。
以下略



62: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 23:38:24.34 ID:Nlo6ISTLo
「もっと、こまかくして、すてようかな?」

どこに捨てるにしてもこの箱だと大きすぎます。誰かに見つかってしまう可能性が高いですね。
箱の蓋を開けて、ぐちゃりとしたビニール越しの感触を人差し指で確かめます。
時間が経ちすぎていて、腐敗が始まってしまっているようです。
以下略



63: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 23:41:02.66 ID:Nlo6ISTLo
私たちの家を背中に、少しだけ早歩き。
早く帰りたいです。早く会いたいです。ココアさん。ココアさんに。
一人だと、どうでもいいことを考えてしまうから。

――これでいいの?
以下略



64: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 23:43:28.36 ID:Nlo6ISTLo

少しでこぼこした石畳の道を、足の痛みも、髪が乱れるのも気にせず、全力で走っていると頭の中は次第に空っぽになっていきました。
もう走れない。そう思った時、目の前にお肉屋さんの看板が見えました。なんと幸運でしょうか。
豚肉、二百グラム。手早く買い物を済ませます。
行きの三倍近い時間をかけて、息を整えながら道を進んでいきます。
以下略



65: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 23:46:44.38 ID:Nlo6ISTLo
―――

「あ! チノちゃん、おかえり! 待ってたよ〜」

「……ココアさん」
以下略



66: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 23:47:22.97 ID:Nlo6ISTLo


真っ黒いコーヒーに、たっぷりのお砂糖を溶かし込んで。
私とあなたの、ハッピー・シュガー・ライフ。

以下略



67:名無しNIPPER[sage]
2016/03/25(金) 23:53:47.80 ID:xR1Y7NuDO
一応きくがスレタイはわざと・を入れてるんだよな?
あの漫画なら・入れないでハッピーシュガーライフだ


68: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 23:54:04.13 ID:Nlo6ISTLo
ハッピーシュガーライフはストーリーが斬新で、絵もとてもかわいいのでぜひ一度試し読みを。
恋人への思いはどこまでも一途で純粋。まさにプラトニックな純愛漫画です。

ご覧頂きありがとうございました。


69: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 23:58:32.87 ID:Nlo6ISTLo
>>67 その通りです
『幸せな甘い生活』よりも『幸せと甘さと生活』というイメージで書いてみました。


70:名無しNIPPER[sage]
2016/03/26(土) 00:07:54.28 ID:su2qbUmDO
あのヤンデレ漫画好きだからこういったSSは嬉しいな


71:名無しNIPPER[sage]
2016/03/26(土) 04:52:35.42 ID:RRALnuFO0
乙乙
やっぱりロリじゃないといろいろ違うな


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