過去ログ - 【ごちうさ】チノ「ハッピー・シュガー・ライフ」
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◆FRtTimAs0A
[saga]
2016/03/25(金) 22:38:26.65 ID:Nlo6ISTLo
―――
重い車輪が、がたんごとんと田舎町を滑っていきます。
私がこの街を離れるのは二度目。そして、多分最後。
目に焼き付けようとした風景はあっという間に夜の闇に飲まれ、沢山の灯りの一つになっていきます。
以下略
40
:
◆FRtTimAs0A
[saga]
2016/03/25(金) 22:41:07.40 ID:Nlo6ISTLo
でも。
でも。
ベッドは幸せ。食べ物は幸せ。家は……幸せなもの。
幸せが欲しい。幸せを分かち合いたい。
窓を流れていく何百という光を見て思うのです。
以下略
41
:
◆FRtTimAs0A
[saga]
2016/03/25(金) 22:45:48.12 ID:Nlo6ISTLo
―――
「すみません、私の準備不足でした……」
「チノちゃんのせいじゃないよ! ほら、どこか泊まれるところ探そう?」
以下略
42
:
◆FRtTimAs0A
[saga]
2016/03/25(金) 22:47:59.63 ID:Nlo6ISTLo
しかし、気になるのは……。
「あー……金ねぇ……けどカラオケ行きてー、あとメシ」
「盗っちゃえ盗っちゃえー! そのへんのオッサンとかシバけばヨユーっしょー」
以下略
43
:
◆FRtTimAs0A
[saga]
2016/03/25(金) 22:58:44.06 ID:Nlo6ISTLo
「チノちゃん、だっけ? 君も可愛いねー、どう? 俺たちと遊ばない?」
「……なして」
「ん? なに?」
以下略
44
:
◆FRtTimAs0A
[saga]
2016/03/25(金) 23:05:16.65 ID:Nlo6ISTLo
「……あ」
その腕が、ココアさんに届いて、絹のような髪を弾いた。
何かが、壊れた。
以下略
45
:
◆FRtTimAs0A
[saga]
2016/03/25(金) 23:07:02.69 ID:Nlo6ISTLo
口にするよりどんどん速く妄想は進んで、頭の中の何かは焼肉用のお肉よりも小さくなっていきます。
あんまり美味しくなさそうです。
「殺しなんてしませんよ? 殺すわけ無いじゃないですか。傷口を酸に浸しますか? コーヒーミルで挽いて挽肉にしますか? うぅん、そんなんじゃ……済まさない」
以下略
46
:
◆FRtTimAs0A
[saga]
2016/03/25(金) 23:08:12.93 ID:Nlo6ISTLo
「ひっ! ……おいっ! 逃げるぞ! こいつおかしい! 狂ってる!」
狂ってる?
大切な人を命懸けで守ることの、何がおかしいんでしょうか?
私にはわかりません。
以下略
47
:
◆FRtTimAs0A
[saga]
2016/03/25(金) 23:10:27.05 ID:Nlo6ISTLo
「痛いよチノちゃん〜」
「さっきあんなことがあったばっかで、何を言ってるんですか……」
以下略
48
:
◆FRtTimAs0A
[saga]
2016/03/25(金) 23:11:07.95 ID:Nlo6ISTLo
しってます。
気づいてました。わたし。
ココアさんをチンピラから助けた時。肩に手を回そうとした瞬間、ビクリと、一瞬だけ身を引こうとしたこと。
それは、ココアさんが初めてわたしに見せた、反応。拒否。その欠片。
わたしが怖かったですか? わたし、間違えちゃいましたか? わたしを――。
以下略
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