過去ログ - 【ごちうさ】チノ「ハッピー・シュガー・ライフ」
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61: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 23:36:39.16 ID:Nlo6ISTLo
部屋に入ってまず目に飛び込むのは、壁紙にべったり塗られたカーキレッド。
派手な赤だったものが、日が経つにつれて黒に近づいていきます。
赤いバラ園は、黒のバラ園へ。
床にばら撒かれているのは同じく赤く染まった本。本。本。
やだなぁ、カーペットまで染みちゃって。この部屋を元どおりに掃除するのは大変そうです。
染み込んだ人血って、ちゃんととれるのかな。

「全く、無駄に抵抗なんてするから……」

そして、三つのプレゼント箱。
『中身』はしっかりビニール袋に包んでから入れているので、臭いが漏れる心配はありません。

「はぁ……どうしようかなぁ、これ……」

知りたいことは、簡単に教えてくれました。ココアさんを守ったナイフが、また役立ちました。
カードの暗証番号。家族構成。職業。交友関係。書類。戸籍。実印の場所。人って、案外脆いものだと思います。
ものの数十分で記録できて、それは用済みになりました。
その時私には、二つの選択肢があり、どちらも危険を伴う選択肢でした。私の選んだその結果が――この箱たち。
『彼女』は社会から離れた存在でした。それが私たちにとって幸運なことであったのか、私にはわかりません。
親の遺産で引きこもって、のうのうと暮らしていた若者。そんなのが一人消えても……何も、世の中は変わりはしません。
ともあれ、私は家を手に入れました。いくらかのお金も。ココアさんの笑顔も。そして、小さな、爆弾も。


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