過去ログ - 【艦これ】Z3「壁の上でダンスを」
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7:名無しNIPPER[saga]
2016/03/30(水) 02:38:00.93 ID:1bBR+Rra0
◆◆◆
男はシュタージのエージェントだった。それも政府要職などの重要人物を監視するための。妻子はいない。
しかし男は不満だった。なぜ自分のような人間が亡命を企てるいち小娘を監視せねばならないのか。
だから男は油断していた。
男は喫茶店から出ていく二人組のあとをドイツ人的慎重さを持って尾行していた。少女のほうはまだしも、東洋人は隙だらけに見える。
今回小娘が接触したあの東洋人が亡命を手引きするという話だったが、それすらも怪しいレベルだ。
観光客同然である。
(ああ、路地なんて入っちゃって。これじゃあ暴漢に襲われても文句の一つも言えないぞ。なにせ隠れるところが多いんだから……)
男は油断していた。目の前の二人組がいつのまにか少女一人になっていることに気付かないほどに。
男は気を失った。背後から蹴りを受け、石壁に頭を打ったからだった。
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