6: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/30(水) 17:42:51.26 ID:RLeRTW2q0
「でもさー、おや……Pさんも、今は劇場が忙しい時期だから。少しは、大目に見てあげても良いんじゃないかな」
そうフォローを入れながら会話に加わるのは、アイドル時代、私の後輩だった大神環。
7: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/30(水) 17:44:22.79 ID:RLeRTW2q0
「そりゃあさ、付き合いとか……息抜きがいるのは分かるし、飲んで帰るななんて言えないけど」
「言えないけど?」
8: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/30(水) 17:45:59.34 ID:RLeRTW2q0
私の愚痴を聞いた貴音が、神妙な面持ちになって聞き返す。
すると、貴音はなにやら考える顔になって。
そのまま黙ってしまった貴音に代わり、
9: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/30(水) 17:47:19.11 ID:RLeRTW2q0
「あー、それはPさんも悪いよ。たまきでも、ちゃんと遅れるなら遅れる、
行けないなら行けないって連絡するよう言われてるもん」
「でしょ? フツーそうだよね!」
10: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/30(水) 17:48:27.67 ID:RLeRTW2q0
指摘すると環が、「あ、そっか」と言ってポンと手を打った。
その反応を見て思うのは、いくら見た目が大きくなっても、
中身もそれに伴って成長するとは、限らないのかもしれないということ。
11: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/30(水) 17:49:44.34 ID:RLeRTW2q0
「ふふふっ、まるで昔の響を見ているようです」
「いやいやいや! 自分、昔こんな感じだったっけ?」
12: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/30(水) 17:50:45.56 ID:RLeRTW2q0
「先ほどの話ですが……毎晩作る、食べられずに余った料理は結局どうしているのです?」
「えぇー? それは、次の日の朝とか、お昼に自分が食べて処理してるけど……」
13: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/30(水) 17:53:02.71 ID:RLeRTW2q0
「それはなんとも由々しき事態……。
響! なぜ私に相談の一つもしてくれなかったのですか!」
「え、えぇ?」
14: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/30(水) 17:55:18.12 ID:RLeRTW2q0
環が私の注意を受けて、慌てたように口元の涎を手で拭う。
「あぁ、もう! 手なんかで拭いちゃ駄目じゃないか……ちゃんとティッシュを使う!」
15: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/30(水) 17:57:26.61 ID:RLeRTW2q0
環の涎をティッシュで拭いてあげながら忙しく言い放った私の質問には答えずに、
貴音はケーキと一緒に用意しておいた紅茶を一口飲むと、私達に向かってにっこりと微笑んだ。
見惚れる笑顔とは、こういう顔の事を言うのだろう。
16: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/30(水) 17:58:02.28 ID:RLeRTW2q0
ここまで。
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