12: ◆Zo89VSw555MV[saga]
2016/03/31(木) 20:01:54.96 ID:WOjo7pAA0
時間が止まってしまったかのような静寂にヒビを入れるかのように、私とPさんの前にコーヒーが並べられた。
私のコーヒーからは、カラメルのような甘い香りが白い湯気と共に漂っている。
対するPさんのコーヒーは、重厚でこうばしい香りを発散させていた。
彼もコーヒーが私のものと違うという事に気づいたらしく、首をかしげながらカウンターに声をかけた。
「申し訳ない。常連だとばかり思っていた」
そう言って深々と頭を下げる店員さん。
聞けば、この店の「コーヒー」は、常連さんの中では「お任せの豆で1杯頼む」という意味合いなんだそうだ。
メニューを見て見ると、確かに、その中に「コーヒー」の文字はなく、各コーヒー豆の名前が羅列されているだけ。
なので、私たちにも非があるとお互いに謝る事で、この話は終わった。
26Res/14.24 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。