19: ◆Zo89VSw555MV[saga]
2016/03/31(木) 20:13:50.73 ID:WOjo7pAA0
「だけど、気持ちを伝えてくれたのは―――」
と、ここで余計な事を離そうとするPさんの口に、1歩踏み込んで、そっと栞を寄せる。
そんな言葉が聞きたくて、私はここに来たんじゃないから。
ただ一言、その一言を言いたくて。
「さよなら、Pさん。お幸せにね」
少し背伸びをして、栞越しのキスを交わす。
初めてのキスは、少し硬くて無機質な味。
唇に手を当てて、夕暮れに立ちつくす彼に手を振って。
私は、桜道を駆け上がった。
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