3:名無しNIPPER[sage saga]
2016/04/01(金) 01:50:08.57 ID:XGVZ0Gc90
「ふぅ……」
三年目ともなるとこの仕事にも大分慣れたと思う。でも、疲れは慣れたからと言ってなくなるようなものではないのだろう。
「たまには飲んで帰りますかね……」
いつもならまっすぐに家に向かうのだが、たまには寄り道も良いだろう。記憶だけを頼りに、昔に一度だけ連れてきてもらったバーを目指す。記憶と言う物は案外いい加減なものでバーに辿り着くまでにやけに時間がかかってしまった。もしかしたら、寄り道せずにまっすぐ家へ帰った方が良いとの神様のお告げだったのかもしれない。
やっと見つけたお目当ての店のドアをくぐると、そこには記憶の通りのままが広がっていた。マスターが低く落ち着いた声でいらっしゃいませと迎え入れてくれる。
「何か甘いのをください」
そうマスターに告げながらカウンター席に腰掛ける。ぐるりと店内を見回すと、以前連れてきてらった時と何一つ変わっていないようにも見えた。
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