4:名無しNIPPER[sage saga]
2016/04/01(金) 01:50:47.26 ID:XGVZ0Gc90
ふいにグラスが置かれる音がして我に帰る。ぼーっとしていたからだろう。お酒の名前を聞きそびれてしまった。一体これはなんというお酒なのだろうか。
「まぁ、名前なんていいですよね……」
一口飲むと甘い香りが広がる。渇いた喉に甘いカクテルが心地よく染み渡る。注文した通りの甘いカクテルは飲みやすく優しかった。気を付けないとあっという間に飲み干してしまいそうだ。
飲むペースを抑えるためにグラスから手を放し、昔の事を思い出す。あの頃は幸せだった。決して今が不幸というわけではないのだが、あの頃が私の一生で一番充実していただろう。狭い事務所ではあったが、私が居て。アイドルの皆が居て、何より彼が居た。
「どうしてこうなっちゃったんだろうなぁ……」
甘いカクテルが入ったグラスをぎゅっと握る。いっそ砕けて無くなってしまえば清々するのかもしれない。
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