9:名無しNIPPER[sage saga]
2016/04/01(金) 01:53:13.72 ID:XGVZ0Gc90
すっかり口をつけるのを忘れていた名前も分からない甘いカクテルを一気に飲み干す。
「すみません、私はこれで失礼しますね。旦那が待っていますし、明日も早いので」
彼と過ごす夜から逃げるために、私が立ち上がりながら財布を取り出そうとする。しかし、そんな私の手を彼が久しぶりに会えたんですから、と言って止めた。
「……ありがとうございます。お言葉に甘えさせてもらいます」
社交辞令として次は私が出す、と言ってはみたものの、もう彼と会うのはこれっきりかもしれない。だけど、彼にとっても私にとってもその方が良いはずだ。彼は別れ際、旦那さんによろしくと、彼にだけは言われたくなかった言葉を私に告げた。背を向けていた私には彼がどんな表情をしていたのかは分からない。
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