過去ログ - 西住みほ「堕ちていくほど、美しい」
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592:津島[saga]
2016/05/27(金) 00:03:56.56 ID:psIF1EIN0

私がいなくても、一切は過ぎて行きます。

私がいなくなっても、大洗女子学園の行く先に心配が無いのは幸いです。



593:津島[saga]
2016/05/27(金) 00:04:35.75 ID:psIF1EIN0
私はあの人たちに残酷な恐怖を与えたくはありません。気付かれぬうちに消えて果てるつもりです。

願わくば、私を産んだ私の過去が、もう誰の身にも決して起こらぬようにしてください。

それが叶ったとき、喪い続けてきた私の一生は、本当の意味で救われることになるのです。
以下略



594:津島[saga]
2016/05/27(金) 00:05:11.23 ID:psIF1EIN0
そしてどうか、私の代わりに、赤星さんたちのお墓に、花を供えてあげてください。

考えてみると、私は、悔いるばかりで、悼むことを忘れていましたから。



595:津島[saga]
2016/05/27(金) 00:05:39.25 ID:psIF1EIN0
*
この手記を書き終えたみほは、その翌日の黒森峰との再戦を終え、姿を消した。

方々、手は尽くした。

以下略



596:津島[saga]
2016/05/27(金) 00:06:12.08 ID:psIF1EIN0
各校も協力すると手を挙げてくれて、とりわけSaint. GlorianaやPravdaなどは、自前の諜報機関で日本はもとより、世界中を捜してくれた。

それでもなお、みほの行方は杳として知れなかった。



597:津島[saga]
2016/05/27(金) 00:06:39.64 ID:psIF1EIN0

あの子は、どこかへと消えた。

どうしようもない後悔と、茫漠たる虚無だけが残された。



598:津島[saga]
2016/05/27(金) 00:07:20.39 ID:psIF1EIN0
今年の10月、私は、いまは静岡に住んでいる、みほの当時の友人を訪ねた。

彼女は大洗女子学園を出てから、現在は陸自で10式の教練を受けているのであるが、どうしても聞かねばならないことを聞くために、無理を言って都合をつけてもらった。


599:津島[saga]
2016/05/27(金) 00:07:46.74 ID:psIF1EIN0

というのは、あの手記は彼女が私に手渡したものだったからだ。

もっと早く行くべきだという思いを抱えていながら、踏ん切りをつけられずに既に2年が経っていた。



600:津島[saga]
2016/05/27(金) 00:08:14.52 ID:psIF1EIN0
富士駐屯地は、富士山の麓にあるかなり大きい駐屯地であった。

その中の応接室らしき場所に通され、私たちは顔を合わせた。

私自身は、大洗優勝の一報を聞いた時に見た写真で彼女の顔は知っていたし、向こうも私の顔くらいは知っているはずであったけれど、実際に膝を向けて話をするのはこれが初であった。


601:津島[saga]
2016/05/27(金) 00:08:43.93 ID:psIF1EIN0
そして、最後であろう。


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