11:名無しNIPPER[saga]
2016/04/03(日) 00:30:36.35 ID:/dsnqPA80
ヒーローは「目的」じゃない「手段」なんだ。
彼らは平穏を護る、復讐を遂げる、悪の根源を消滅させるなど「目的」は数あれど、その「手段」にヒーローを用いていただけに過ぎない。
12:名無しNIPPER[saga]
2016/04/03(日) 00:31:15.62 ID:/dsnqPA80
そして混乱した末にアタシはある時、事務所で彼女に全てをぶちまけた。
それは癇癪にも近いものだったんだと思う。
13:名無しNIPPER[saga]
2016/04/03(日) 00:32:27.20 ID:/dsnqPA80
ひとしきり泣き喚いて落ち着くと急に恥ずかしくなってきて、思わず彼女の服に顔を埋めた。
大人の女性の甘い香りと、その名前の通り仄かに漂う柑橘系の香りに頭がクラクラした。
14:名無しNIPPER[saga]
2016/04/03(日) 00:33:09.10 ID:/dsnqPA80
それから彼女とアタシは一緒に仕事をすることが多くなった。
デパートの屋上でのライブや、CDショップでのイベントなど規模は大きくなかったけど数多くこなした。
15:名無しNIPPER[saga]
2016/04/03(日) 00:33:37.90 ID:/dsnqPA80
やがて、アタシ達にはそれなりに大きな仕事が回ってくるようになった。
アタシはアタシの、彼女は彼女の魅力で輝き始めたんだ。
16:名無しNIPPER[saga]
2016/04/03(日) 00:34:20.16 ID:/dsnqPA80
久々に彼女と一緒の大きな仕事だったからアタシは結構ワクワクしてたんだ。
でも与えられた配役を見て、アタシはまたも迷走し始めた。
17:名無しNIPPER[saga]
2016/04/03(日) 00:35:14.87 ID:/dsnqPA80
与えられたのは悪役だった。
正義に改心するとか、実は正義の味方だったとかではなく純粋に悪役。
18:名無しNIPPER[saga]
2016/04/03(日) 00:35:42.08 ID:/dsnqPA80
結局アタシはまたも理想と現実の狭間に追いやられてしまったのだ。
プロデューサーに相談しようにも、せっかく苦心して取ってきてくれた仕事が台無しになるかもしれないと思うととてもじゃないが相談なんてできっこなかった。
19:名無しNIPPER[saga]
2016/04/03(日) 00:36:21.44 ID:/dsnqPA80
気持ちの整理がつかないまま、本番を迎えた。
彼女も来てるかなと思ったがどうやら後半からの参戦らしい。
20:名無しNIPPER[saga]
2016/04/03(日) 00:37:14.78 ID:/dsnqPA80
出番はあっという間に来た。
多少台詞はトチったものの目立って大きなミスは無かったはずだ。
21:名無しNIPPER[saga]
2016/04/03(日) 00:38:43.80 ID:/dsnqPA80
前半が終わって控え室に引き上げた。
皆があの演技はああだとかこの演技がどうだとか話していたがその中でもアタシは一人で沈んでいた。
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