過去ログ - 【ガルパン】西住しほ「おかえりなさい」
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125:名無しNIPPER
2016/04/08(金) 21:40:06.41 ID:TKUU/4+z0
age


126: ◆5yXN2jIX2Y[sage saga]
2016/04/09(土) 22:05:57.39 ID:iF80Ipuz0
【大学選抜VS大洗女子 試合会場】

 空は快晴、風もない。試合観戦にはもってこいの陽気である。昨日のうちに設営は済ませ、既に試合準備は終わっていた。
全ての手配を引受け一夜で終わらせるあたり、役人の手腕が伺える。その仕事ぶりに、しほは彼への評価を改めた。
 試合前に運営スタッフや審判団に挨拶に向かうと見知った顔が駆けてくる。
以下略



127: ◆5yXN2jIX2Y[sage saga]
2016/04/09(土) 22:08:21.34 ID:iF80Ipuz0

 大雑把なようだが、実際は実直で真摯な彼女を門下に持って誇らしく思う。彼女も忙しい身であるにも関わらず時間を作ってくれているのだ。そういった裏での労を表に出さない彼女は本当に器量の大きいできた人だ。そんな彼女はもちろん、この試合は多くの人の協力で成り立っている。
挨拶へ回ったところ、そういった運営の人達も皆蝶野と同じようなことを言う。良い人達ばかりだ。彼女らもまた戦車道を学び、魅了されそれに関する職へついた者達である。こうした温かい人柄の人間が育つのだから、戦車道という武芸はやはり素晴らしい。
 試合とは異なる裏方の人達の働きを見て、戦車道は多くの人に愛され支えられているのだと改めて感じるのだった。



128: ◆5yXN2jIX2Y[sage saga]
2016/04/09(土) 22:09:18.22 ID:iF80Ipuz0
【試合観覧席】

 モニターから少し離れた位置の観覧席に座ると、直ぐに視界を遮るように目の前に日傘が現れた。相変わらずわかりやすく挑発してくる、前席に座る相手に声をかける。

しほ「モニターが見えないわ、日傘を閉じるか席をずらしてして貰えますか」
以下略



129: ◆5yXN2jIX2Y[sage saga]
2016/04/09(土) 22:11:09.89 ID:iF80Ipuz0

 自分達が試合をするわけでも無いのに、互いに威嚇し合う二人。異様な雰囲気のその二人を避けるように彼女達の周りの席には誰も腰をおろさなかった。
二人もその空気のままに千代が少し席を横に座り直し、それっきりお互いそれ以上話すことなくモニターへ視線を移した。
 彼女とは以前より交流が有った。ただしそれは交遊等や対話のような可愛らしいものではない。試合の中で互いの指揮の元に戦車同士でのぶつかり合いによるものだ。学生時代の大会で彼女と争わなかった大会は無いといってもいい。それもその筈で両者は強者で有り、その大会の覇権を握る為に最後まで必ず残るのだから。どちらも宣言したわけでは無いが、そうした雌雄を決する機会が多かったが為に互いを好敵手と認めていた。同時に苦汁をなめさせられた宿敵でもある。


130: ◆5yXN2jIX2Y[sage saga]
2016/04/09(土) 22:12:59.49 ID:iF80Ipuz0

 そういった事情からこの二人の間にあるのは戦車を通した会話が全てであり、仲良く観覧を楽しむような間柄ではないのだ。そしてこの試合は自分達の育てた娘による戦車戦であるため、今回もある意味では戦車を通して二人の交流が行われていると言えるだろう。
 じきに試合が始まる。島田千代と西住しほによる久しぶりの戦車道による戦が始まろうとしていた。


131: ◆5yXN2jIX2Y[sage saga]
2016/04/09(土) 22:15:17.00 ID:iF80Ipuz0

――――――――――――――――――――――――
【試合観覧席】

 しほ静かに激高していた。彼女の射殺すような視線の先、モニターに映されていたものが原因だ。試合前の挨拶で両陣営が一堂に会す、その光景は悲惨なものだった。黒森峰を相手にした時より更に10両も多いのだ。当然乗組員が立ち並ぶその場には、それだけの人数が加算される。多勢に無勢とは正しくこのことであろう。車両数の絶対的優位に加え大学選抜の選手は経験も豊富、絶望的な状況なのである。
以下略



132: ◆5yXN2jIX2Y[sage saga]
2016/04/09(土) 22:17:12.75 ID:iF80Ipuz0

千代「.............。」

 千代の方もフラッグ戦を想定していたようだ。それもその筈、殲滅戦とは名前のとおり全車両を殲滅させられたら負けなのである。つまり戦車の台数がモノを言う試合であり、車両としての性能でも優っている大学選抜チームが負けるのは有り得ないのだ。千代はあくまで戦術的な戦いを望んでいた。『西住』の名前を冠する、しほの後継者の一人であるみほと戦術的に愛里寿を競わせたかったのだ。加えて不利な状況での全国大会決勝では隊長車同士の一騎打ちに持ち込み勝利したと人伝に聞いていた。だからこそ今回もそうしてくると読み、個としての能力も競わせられると考えていた。
 だが試合は殲滅戦であり劣った戦車8両に対して優れた30両の戦車である。結果は一目瞭然だ。千代も役人の意向に強い不快感を示して冷たい視線でモニターを見る。


133: ◆5yXN2jIX2Y[sage saga]
2016/04/09(土) 22:18:08.17 ID:iF80Ipuz0

これは『西住』を嵌め、『島田』を貶めた侮辱行為だ。両家の家元たる二人は自分の流派を愚弄したあの男を許すはずが無い。モニターから視線を外すと無言のままに役人の居る設営テントへ向かおうとし、二人は立ち上がった。



以下略



134: ◆5yXN2jIX2Y[sage saga]
2016/04/09(土) 22:18:56.14 ID:iF80Ipuz0
まほ『待ったーーーーーーーッ!』

 審判長の蝶野の合図で両チームが挨拶を終えようとするともう一人の愛娘の声が響いいた。娘の声を聞き我に返ると、しほは声の方向であるモニターへ視線を戻す。そこには4両の戦車を伴って大洗の制服を来たまほが居た。
 
まほ『大洗女子学園 西住まほ』
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