過去ログ - 屋上に昇って.
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150:名無しNIPPER[saga]
2016/04/24(日) 23:18:19.28 ID:+7NlXydio

 せいぜいの口実が、「訊きたいことがある」と、「昨日のお礼」くらいのもので。
 そういう自分の狡猾さが、妙に嫌になったりする。

「な、るー、あのさ」

 と、声を掛けた途端、るーの携帯が鳴り出した。

「……あ、えっと。なんですか?」

 着信音に一瞬気を取られてから、話の続きを促したるーに、俺は少しだけ笑ってしまった。

「いいよ、とりあえず出て」

「……あ、うん」

 るーは立ち上がって、店の入り口の方へと立っていった。

 意識せず、長いため息が出た。

 そりゃ、俺だってわかってる。
 昨日の告白のことを忘れたわけじゃない。

 今日だって、突然の呼び出しに、るーは素直に応じてくれた。
 それに対して俺だって、いろいろやれることがあるはずなのだ。




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